鯉花火で3連勝3位タイだ!6発13点
「ヤクルト5‐13広島」(2日、神宮)
ドッカーン、ドッカーンと、鯉打線が神宮で大花火大会を開催した。広島のキラ・カアイフエ内野手(29)と丸佳浩外野手(24)がそれぞれ2打席連続弾をマークし、堂林翔太内野手(21)は球団7500号本塁打となる一発。最後は広瀬純外野手(34)が左翼席にたたき込み、01年以来12年ぶりの1試合6本塁打。真夏の暑さも吹き飛ぶ快勝劇で、3位タイに浮上じゃ!
神宮の夜空に色とりどりの花火が打ち上がった。球団記録にあと1本に迫る1試合6本塁打。左翼、右翼、中堅へと鯉打線が縦横無尽にアーチを描いた。
先陣を切ったのはキラだ。2点を追う三回、1点を返し、なお1死三塁で、村中の145キロの直球をフルスイングすると、打球は右翼席中段に一直線。完璧な逆転7号2ランに「甘い球を逃さず打てた」。この一発が、花火大会の幕開けだった。
四回に連続花火を点火したのは丸だ。松岡の外角直球を、鯉党が待つ左翼席へ9号ソロ。「いい角度で上がったから打った瞬間に入ったと思った。理想の打球」と自画自賛の一発だった。
余韻が冷めぬ間に、再びキラのバットが火を噴いた。今度は弾丸ライナーで右翼ポール際へ運んだ。7月11日のDeNA戦以来、2度目の2打席連続弾。「低い弾道だったからスタンドまで届かないと思ったけどね」と頬を緩ませた。
次の花火師はプリンスだ。丸、キラの連弾後、さらに連打を浴びせ、1死一、三塁。ここで堂林がバックスクリーン右へ打ち込んだ。「まさか入ると思わなかった」という6試合ぶりの6号3ランは、プロ野球6球団目となる球団通算7500本塁打のメモリアル弾。1イニング3本塁打は、10年6月19日のヤクルト戦で嶋、ヒューバー、赤松が打って以来、3年ぶりだ。
5発目は意外な“花火”だった。五回、丸が放った打球は中堅フェンスに直撃。すると打球は左翼方向へ転々と転がった。それを見た丸は三塁を駆け抜け、一気に生還。初の2打席連続本塁打は、人生初のランニング本塁打。しかも初の2桁本塁打となる10号に「2桁本塁打は最低目標だった」と興奮を抑えきれない様子だった。
フィナーレは七回、広瀬の一発だった。01年以来の1試合6本塁打で幕を下ろした花火大会。野村監督は好調な打線を「キラが打線の軸になって得点能力が上がっている」と絶賛した。順位も3位タイに浮上。勢いを増す鯉打線が、真夏の夜を熱くする。