松山6打点!サイクル安打惜しかった~

 「ヤクルト4-7広島」(4日、神宮)

 広島・松山竜平外野手(27)が自己最多となる1試合6打点の活躍をみせた。左越え二塁打、右中間本塁打、遊撃強襲三塁打を放ち、シングル安打が出れば、サイクル安打達成だったが、残り打席で惜しくも凡退した。5番打者の奮闘でチームは3カード連続勝ち越し。鯉の勢いが止まらない。

 球史に名を残せるか。九回、2死一塁。チームメートが回してくれた最後の打席に、松山が立った。シングル安打が出ればサイクル安打達成‐。その快挙を祈る左翼席の鯉党も、この日一番の声援で後押ししたが、結果は右飛。プロ野球史上63人目67度目のサイクル安打の夢は消えた。

 達成していれば広島では山本浩二、衣笠祥雄らに肩を並べ、99年4月24日の金本知憲(対中日、広島市民)以来、球団史上6人目だった。「最後は狙った。難しいですね」。さすがに試合終了後は複雑な気持ちだった。

 それでもこの日が「松山デー」であったのは間違いない。その幕開けは一回1死満塁で迎えた最初の打席だ。左翼フェンスを直撃する先制の2点適時打。これでチームは主導権を握った。

 同点で迎えた四回の打席では豪快な一発が飛び出した。右中間席に放り込む7号ソロ。7月2日中日戦(豊橋)以来の一発に「(カウントが)2ボールだったので、1、2、3のタイミングで真っすぐだけ狙った」と満足そうに振り返った。

 五回の3打席目では“足”を魅せた。2死満塁で左腕・江村の直球を逆方向へ打ち返すと、打球は遊撃手のグラブをはじき、左翼線へ転がった。それを見て激走し、気合のスライディングで三塁を陥れた。走者一掃となる2年ぶりの三塁打。「あれは暴走です。鈍足なんで」と笑った。

 七回の打席は好守に阻まれ、結局3安打でプロ初の6打点。「まぐれです」と謙そんしたが、決してまぐれではない。今回の6連戦前の7月29日、全体練習が休みの中、野手ではただ一人松山だけがマツダスタジアムに姿を現した。ランニング後、打撃マシンを相手に黙々と打撃練習。「今までも(休日練習は)続けているし、1日休むと逆に体が疲れちゃうから」。日々たゆまぬ努力が好結果を生んだ。

 チームも3カード連続の勝ち越しを決めた。松山の打率も・306まで上昇。「CSに行けるように活躍したい」。サイクル安打は逃しても、もっと大きな夢は逃さない。

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