マエケン10勝連敗止めた!ブ軍が熱視線
「阪神1‐2広島」(13日、京セラ)
これぞエースだ!広島・前田健太投手(25)が3安打1失点の完投で10勝目。連敗を4(1分け含む)で止め、チームは中日を抜き、3位に浮上した。川口和久(86~91年、6年連続)以来、鯉投10人目となる4年連続2桁勝利を達成。大リーグ・ブレーブスのドム・チティーGM補佐が初視察する中、実力を見せつけた。
最後の打者、代打・関本を空振り三振で締めても、前田健は喜ばなかった。2‐0の九回2死、坂に高め直球を右翼席に運ばれた。完封目前、での一発に「台無し。気持ちよくない」。わずか3安打1失点に抑えての完投勝利にも悔しさの方が先に口をついた。
前回登板の6日と同じメッセンジャーとの投げ合い。初回に丸の援護弾をもらったが、楽ではなかった。初回2死三塁はマートンをこの日、最速150キロで見逃し三振。三回、2死満塁では再びマートンを一邪飛に仕留め切り抜けた。
2‐0の七回は1死三塁。PL学園の大先輩、の代打・福留を三邪飛。2死から代打・桧山を148キロで空振り三振に斬ると、マウンドで絶叫した。
八回まで2安打、118球。「(3連戦)初戦をマエケンで落とせない」。リリーフ陣に不安もあり野村監督は続投を選択した。前回登板で訴えた右肘の張りもあり「万全でない」(山内投手コーチ)中、エースは131球の力投で、チームの連敗を4で止めた。
ネット裏ではレッドソックス、ドジャース、ナショナルズなどメジャーのスカウト陣が熱視線を送る。中でもブレーブスは球団幹部のドム・チティーGM補佐が視察した。「すべての球種の制球がいい。何より打者に向かっていく気持ちがある本物の投手。若いころの川上(元ブレーブス、現中日)のよう。あくまで一般論だが、メジャーのローテに入れるよ」と、言葉を選びながらも高い評価を口にした。
鯉投では川口以来の4年連続2桁勝利。「続けることに何でも意味がある。先発は最低10勝と言われる。川口さんとも間もあるし、それ以来に名前が残るのは良かった。あと何年も続けていかないといけない数字」。あくまで通過点だ。
チームは中日を抜き3位に浮上。「これからが勝負。順位を上げられるようにしたい」。防御率2・26はリーグトップを堅持。悲願CS進出はマエケンが請け負う。