大竹84日ぶり復活星!悲願CSへ光明
「阪神1‐7広島」(14日、京セラ)
広島・大竹寛投手(30)が84日ぶりにうれしい白星をつかんだ。初回から5点の援護を受け、8回5安打1失点で6勝目。5月22日の西武戦(西武ドーム)で勝って以来、10試合に投げ0勝6敗だったが、ついに脱出した。チームは連勝で3位をキープ。野村謙二郎監督(46)も「大きい」とCS進出へ不可欠な右腕の復活星を喜んだ。
84日ぶり勝利の味を大竹はかみしめた。敵地でのヒーローインタビューで「本当に久しぶり。ホッとしています。悔しい思いを持っていた」と安どの表情。両手を上げ、鯉党の「オオタケ」コールに何度も応えた。
大竹のためにチームは必死になった。初回、大量5点を奪う猛攻で援護。二回に連続四球で背負った2死一、二塁では広瀬が右中間への飛球をフェンスに激突しながら捕球した。
「いいプレーに助けられた。序盤のピンチをしのいだのは大きかった」と勇気をもらった。5‐0の三回には、1死満塁から押し出し四球で失点はしたが、続く新井を三ゴロ併殺で最少失点。四回以降は完全に自信を取り戻した。
「粘り強く低めを突くこと」を意識。四回以降は危なげない投球を見せた。八回まで投げて仕事完。8回5安打1失点で、三振はゼロ。持ち味の打たせて取る投球で、5月22日以来、84日ぶり、11試合ぶり6勝目を手にした。
「野手の方に勝たせてもらった。声もかけてもらい頑張れた」と、感謝しきり。初回に自ら適時打も放ったことには「まぐれですよ」と笑った。
勝てない日々。「勤続疲労ってあるのかな。30歳だもんな。若くないよな」と悩んだ。プロ入り初めて、自身の投球フォームをビデオで見てチェックした。
前回7日の阪神戦(マツダ)では5回5失点で7敗目。登板後、野村監督から熱く諭された。「内容は言えませんが、いっぱい考えさせられた」。言葉が胸に響いた。
野村監督は「投手陣のムードメーカー」と大竹を評する。悲願のCS進出へ欠かせぬ右腕の復活星に「結果が出て良かった。大きいよ。マエケンで完投、大竹も勝って流れをつくった。大きいよ」と手放しで、喜んだ。
阪神に連勝し3位をキープ。「CS争いはこれから厳しくなる。自分が勝利に貢献する強い気持ちを持ちたい」。マエケンに並ぶローテの軸が、ここから“倍返し”する。