野村鯉継投策実らず…被弾打3で負けた
「阪神3-1広島」(15日、京セラ)
広島は野村謙二郎監督(46)の執念継投策が実らず、2連勝でストップした。1安打1失点の先発・中村恭平投手(24)を4回0/3で非情の交代。小刻みな継投策をとったが、1‐1に追い付いた直後の八回、永川勝浩投手(32)が阪神の4番・マートンから勝ち越し2ランを被弾。今季初の同一カード3連勝を逃した。
異例の降板劇に敵地球場もざわめいた。0‐1の五回、中村恭が先頭・藤井彰に四球を出し、次は投手のスタンリッジの場面。山内投手コーチがマウンドに向かい、野村監督は迷わず球審に横山への投手交代を告げた。
三回まで3四球と制球不安は変わらないものの、無安打投球。四回2死から福留に右翼席に特大ソロを被弾したが、4回0/3をわずか1安打1失点の“好投”だった。
「不合格じゃないけど、いつもの球数(78球)。はまればスルスル行かせるけど、悪い癖が出ていた」と指揮官。山内投手コーチも「危険性が見えたので。四球も含めて、リリーフ陣は早めの準備をしていた」と説明した。
13日はエース・前田健が完投。前日は大竹が8回を投げた。この日は休養十分のリリーフ陣を惜しみなく投入する予定だった。とはいえ、非情とも言える早期の“見切り”だ。
執念継投に打って出た監督の勝負手で、横山が五、六回を無失点。ソコロビッチも七回をゼロで抑えた。打線も八回にようやく1点差を追い付き、さあ振り出しと思った直後、暗転する。
八回に登板した永川勝がしのげなかった。1死一塁、マートンにフルカウントから投じた143キロ直球が真ん中に。快音を発した打球はバックスクリーンへ入った。勝ち越しを許す2ラン被弾。前回登板の10日・巨人戦(マツダ)に続き、被弾でリリーフに失敗した右腕は「何もない」と試合後は声を絞り出した。
「悪い方の永川が出た。裏をかいての直球だろうけど、逆球になった。もう少し冷静になってくれれば…」と、野村監督も嘆くしかなかった。
連勝は止まり、今季初の同一カード3連戦3連勝も逃したが、3位はキープ。16日からは、初のCS進出を争うライバル・DeNAと3連戦(横浜)。残り40試合。し烈なデッドヒートに、指揮官は一戦必勝でタクトを振っていく。