マエケン11勝目!宣言通りの竜斬り
「中日0-6広島」(20日、岐阜)
これぞエース。頼れる男だ。広島・前田健太投手(25)が7回を4安打無失点に抑えて、自身5連勝、11勝目を挙げた。中日との3位攻防戦。初戦必勝を誓っていたマエケンが、宣言通りに竜を斬った。この勝利でチームは、岐阜・長良川球場で通算14勝6敗。相性のいい地で眼下の敵を退け、ゲーム差を1・5に広げた。
ライバルを突き放す大きな勝利だった。前田健が7回4安打無失点の竜倒。3位攻防戦初戦。宣言通り、エースが力で白星をもぎ取った。
初回こそ「掘れすぎていた」と慣れない地方球場ゆえに苦戦。自らのけん制悪送球も絡み、2死一、三塁のピンチを背負った。だが平田を二ゴロで切り抜けると、その後は中日打線を寄せ付けない。
先制点をもらった二回以降、三塁すら踏ませず。大量リードもあり、110球で仕事を果たした。「状態に左右されず、すべての球を制球できている」。7月14日のヤクルト戦(神宮)で7勝目を挙げてから自身5連勝。後半戦は負けなしと、完全に復調した。
中日とのゲーム差を1・5に広げ、3位を死守した。「順位も近いし、分の悪かったチーム。初戦も勝ったし、勝ち方もいい。イヤなイメージを植え付けられた」。これで今季は中日戦2戦2勝。投打に完ぺきな内容の勝利を満足げに振り返った。
中日には9年連続でシーズン負け越し。「ナゴヤではなかなか勝てない雰囲気が去年まであった。それがなくなればいい。そういうのを克服していかないと。去年は大事なところで勝てなかった。勝てるようにしていかないと」。今季、天敵にはこれで9勝7敗。21日からの鬼門、ナゴヤドームにもこれで勢いが付いた。
昨季は自身14勝を挙げたが、9月の大失速でCS進出を目前で逃した。「大事なのは終盤。終盤にみんな、精神的に強くならないと」。ナインを叱咤(しった)するような言葉は今年こそ、悔しさを晴らしたいからに相違ない。
そのためにはエース自ら、責任を果たすつもりだ。「2度、(出場選手登録を)抹消されている。何とか最後までいい結果を出したい」。防御率2・14はリーグトップ。勝ち星もヤクルト・小川に1勝差、奪三振も阪神・メッセンジャーに10個差に迫ってきた。「僕が最高の数字を出さないと、優勝もCSもない」とマエケンは言う。“リーグ3冠”がCS争いの赤ヘルを押し上げる。