大竹“変身”7勝 初回3失点から一転
「中日3‐6広島」(21日、ナゴド)
ナインと勝利のタッチを終えると、ようやく広島・大竹の表情が緩んだ。粘りの投球でつかんだ7勝目。CS進出争いをする中日から挙げた白星に「何といっても勝てたことがうれしい。野手の人に感謝したい」と、ホッと息を吐いた。
初回、味方打線が3点のプレゼント。しかしその裏のマウンドは制球が定まらず、アドバンテージをはき出した。1死一、二塁で和田に左翼線突破の適時二塁打を浴びると、さらに2死二、三塁からはクラークに中前2点適時打を打たれて同点とされた。「3点をもらった次の回。一番やってはいけないことをしてしまった…」
力なくベンチに戻った右腕に対し、野村監督は一喝したという。「自分から重い空気を出すなと。変な空気を出していたので、怒らせてもらいました」。信頼しているからこそ、試合中にあえて厳しい言葉で奮起を期待した。
大竹はその言葉に応えた。二回から六回まではスコアボードにゼロを並べた。結局、6回7安打3失点。苦しんで手にした勝ち星だ。
中日に連勝し、ゲーム差は2・5に広がった。まだまだ続くし烈なサバイバルレース。「立ち上がりは反省して、満足することなく上を目指していきたい」。力強い言葉で締めくくった大竹が、頼もしい。