野村完全復活!故郷は「デニムの聖地」
「広島6-2ヤクルト」(23日、マツダ)
広島・野村祐輔投手(24)が8回4安打2失点とツバメを料理し、8勝目を挙げた。緩急自在の投球で四回までパーフェクト。昨季は終盤に失速したが、今季は8月負けなしの自身3連勝。1年目の昨季は逃した2桁勝利も視界に入ってきた。4位・中日が敗れ、2・5ゲーム差。最下位相手に着々と3位固めじゃ。
倉敷市児島地区は国産ジーンズ発祥の「デニムの聖地」として知られる。同市出身で、もちろんジーンズをこよなく愛する野村は「デニム柄ユニホーム」をまとい、負けられなかった。
試合前から断続的に降る雨も何のその。「調子も良かった。飛ばしていった」。野村が8回2失点の好投で8勝目。自身3連勝と、調子を上げてきた。
直球は140キロに満たないが、緩急を使い、コーナーを突き、凡打の山を築いた。四回までパーフェクト投球を見せた。
「すごく悔しかった」というのが五回だ。先頭のバレンティンに2ボールからの3球目、直球を中越えに運ばれた。この試合浴びた初安打が本塁打で、失点した。
それでも次の打席ではきっちりと仕留めた。6‐1の七回1死、追い込んでから102キロカーブで空振り三振。八回に1点を失ったが、先発の役割は十分に果たした。
4月に右肩関節唇損傷で出場選手登録を抹消された。開幕直後はフォームの崩れもあり不振だったが、完全によみがえった。「去年はここから失速していった。ここから去年の借りを返したい。去年は自分が勝っていれば(チームのCS争いも)少しは変わっていたかもしれない」
昨季は8月22日に9勝目を挙げてから7戦で0勝5敗。防御率1・98で新人王を獲得したが「1年通して活躍はしていない」と満足はなかった。今季は8月に入り負けなし3連勝。終盤にグングン調子を上げ、初の2桁勝利も見えてきた。
「負けられませんよ。そこまで考えて投げてはいませんが…。倉敷はジーンズの町ですから」。明大時代、誕生日に地元の友人から倉敷産のデニムを贈られ愛用。私服はもちろんジーンズ。愛する故郷の“PR”を忘れなかった。
野村監督は「緩急を使い、自分の投球をした」と手放しでたたえた。4位・中日には再び2・5ゲーム差を付けた。24日は今季5戦5敗の小川が相手。「一矢報いるように頑張りたい」と指揮官。天敵を撃ち、ツバメの息の根を止める。