マエケン153キロ“勝ちある”7回0封

 「広島8‐1DeNA」(27日、マツダ)

 広島・前田健太投手(25)が自己最速153キロをマークし、7回7安打無失点に抑えた。ハーラートップタイの12勝目はお預けとなったが、熱投で終盤の大勝劇を呼び込んだ。8月は30回を投げ、わずか1失点。リーグトップの防御率は2・03となり、1点台も目前。勢いが加速してきたエースに悲願のCS進出はお任せじゃ!

 ピンチで最強の力を発揮するのが、超一流の証明だ。「調子は良くなかった」と前田健は初回、いきなり、1死満塁を背負う。中村紀をスライダーで空振り三振に斬り、あと1死。ここでギアはさらに上がった。

 「2死までいったから全力で三振を取りに行った」。続く多村を追い込むと4球目だ。低めに投げ込んだ速球は自己最速の153キロ。多村のバットは空を切り、三振。前田健は1回転し、グラブをたたき絶叫した。

 沢村賞に輝いた10年に152キロを計測してから3年。何度も“タイ”は出したが、ついに更新した。「マックスが速いに越したことはない。今季、アベレージのスピードが上がっているのは感じている。勝負どころで140キロ後半のスピードが出ている」。試合後は納得の表情で振り返った。

 先日はPL学園の大先輩・宮本が引退表明。10年に宮本から奪った三振を「自信」にして今や、球界を代表する投手になった。「球種のこととか聞いたりして話してくれた。もう一度最後に対戦したい」と前田健。成長を見せた153キロだった。

 毎回のように走者は背負ったが、相手打線にあと1本を許さなかった。7回、111球、7安打無失点。9奪三振。「山内さん(投手コーチ)と話し合い、球数とか制限しながら」。今季は前半戦、体調面の不安で2度、登録抹消。6日には右肘に張りを訴えた。大事を取り、1点リードのまま降板した。

 2番手・永川勝が追い付かれ、ハーラートップに並ぶ12勝目はお預け。だが八回に打線が爆発。終わってみれば8得点大勝は熱投が呼び込んだもの。「チームが勝つのが一番。いい勝ち方ができた」と前田健も喜んだ。

 CS進出を争うDeNA相手に大きな先勝で、3位を堅守だ。野村監督は「(交代は)この後、投げられないのが困るのでね。エースらしい投球」と、絶賛した。

 8月は4試合、30回を投げわずか1失点、防御率0・30。リーグトップの防御率も2・03と1点台を目前にした。タイトル総取り、そしてCS舞台へ、マエケンの勢いはもう止まらない。

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