鯉打線金縛り…今季初2戦連続完封負け
「広島0‐2DeNA」(29日、マツダ)
広島がDeNAを相手に今季初となる2試合連続の完封負けを喫した。1点を追う七回1死二、三塁の絶好機にもあと一本がでなかった。この日もわずか3安打、18イニング無得点で08年9月以来の5カード連続勝ち越しを逃した。4位・中日は勝ち、ゲーム差は1・5に迫られた。
声援がため息へと変わった。九回2死、サヨナラ勝利を願い声をからした鯉党。その祈りは届かず、キラの打球は三塁手・中村のグラブに収まった。4カード連続で勝ち越し、迎えたDeNA3連戦。カード勝ち越しを逃した一戦は、今季初の2試合連続完封負けとなった。
まるで金縛りにあったようだった。0‐1の七回。松山が中前打で出塁するなど無死一、二塁。続く梵がきっちりと送りバントを決め1死二、三塁とした場面だ。
岩本に代わった代打・広瀬は低めのフォークを打ち上げ浅い右飛。続く木村も外角高めの直球に空振り三振に倒れた。一打逆転の好機を逸し、「流れを変えたかった。力が入ったわけじゃないけど…。最低限の仕事ができなく申し訳ない」と広瀬。木村も「大事なところで打てなくて悔しい」と肩を落とした。
今季初先発の加賀美は、この試合まで3試合で防御率22・09だった。しかし、カープ打線は直球とチェンジアップの緩急にほんろうされ、八回途中まで散発3安打に封じ込まれた。野村監督は「投手は2点に抑えた。打線がふがいない。悪い方のパターンにはまってしまった」と嘆いた。
絶好調だった鯉打線に何が起こったのか…。27日のこの3連戦前まで、8月は23試合で104得点。1試合平均で4・5点を奪ってきた。しかし、ここに来て大ブレーキ。新井打撃コーチは「練習を見ていても調子はいい。スコアラーも我々も、狙い球を言っているが仕留めきれていない。春先の打線のよう。CSへ向けてプレッシャーをかけているわけではないのだが」と首をかしげた。
昨季は8月を3位で終えながら、9月に失速。CS進出を逃した。4位・中日が勝ち、ゲーム差は1・5になった。30日からは巨人に3連敗した阪神との一戦だ。同じ過ちを繰り返すわけにはいかない。手負いの虎から勝利をもぎとり、再び上昇気流に乗る。