野村監督が決断!竜退治へ中軸再編
「広島(中止)中日」(3日、マツダ)
鯉打線がクリーンアップ再編で竜退治だ。3日の4位中日との直接対決初戦は雨天中止。仕切り直しとなった中、広島・野村謙二郎監督(46)がキラ・カアイフエ内野手(29)とブレッド・エルドレッド内野手(33)を並べたクリーンアップの“解体”を決断。キラを4番に戻し、その前後を3番・松山竜平外野手(27)、5番・梵英心内野手(32)と好調な日本人選手で固め、野村鯉が大一番に臨む。
同じ過ちは繰り返せない。昨年、一昨年とシーズン途中までCS争いを演じながら、9月に大失速した野村鯉。その大きな要因の一つは、得点力不足だった。先週の6連戦では、DeNA、阪神に3勝3敗ながら、2得点以下の試合が4試合。うち2試合が完封負けと、嫌な兆候が出始めていた。
打線は試行錯誤の日々が続いている。1日の阪神戦では何とか状況を打破したいという思いから、キラを3番に下げ、再昇格したばかりのエルドレッドを4番に置いたが、これが大誤算。2人で8打数無安打、5三振と不発に終わった。
クリーンアップがこれでは昨年の二の舞いになるのは確実。あの悪夢を繰り返さないためにと、首脳陣は迅速に決断した。「外国人を並べたが機能してくれなかった」と新井打撃コーチ。そして「キラの後に梵を置いた時の方が機能していたので、キラ、エルドレッドが並ぶ打順を変える可能性は高い」と続けた。
「4番・キラ、5番・梵」のコンビは今季17試合あり、9勝8敗。決して大きく勝ち越してはいないが、キラの後に5番に入った時の梵の打撃は、58打数21安打で打率・362、3本塁打、10打点と好成績をマーク。新井打撃コーチは「この並びが一番しっくりしていた」と話した。
そして3番には、現在チームで一番好調な松山を起用し、チャンスメークを期待する。現在9試合連続安打中で、打率は・291と上昇。松山は「最近打線に元気がなかったけど、悪い流れに乗ってはダメだと思っていた。チャンスメークとか走者がいたらかえす打撃とか、1年間心掛けてやってきたので」と胸を張り、「任されたからには結果を出したい」と言い切った。
野村監督は大一番での打線の奮起に期待する。「対戦相手が代われば状況も変わるし、プラス思考に考えていく。現状で一番いいオーダーをつくりたい」。クリーンアップが機能すれば、CSの舞台をしっかり視界にとらえられるはずだ。