野村10勝!バレ止めて自分が打った
「ヤクルト6-12広島」(12日、神宮)
広島・野村祐輔投手(24)が6回4安打4失点ながら4発12点と打線の大量援護を受けプロ初の2桁勝利となる10勝目を挙げた。三回の攻撃では自らプロ1号となる3ランを放つなど打でも貢献した。チームは今季初の同一カード3連戦3連勝。14日から本拠地で行われる巨人3連戦へ向け勢いを付けた。
アーチで魅せたのは、ヤクルト・バレンティンでなく野村だった。4‐2の三回2死一、二塁。徳山の5球目、136キロ真ん中の直球を無心で振り抜いた。打球はグングン伸び大歓声の鯉党で埋まる左翼席に飛び込んだ。
「どこに行ったか分からなかった」と、本人が一番ビックリのプロ1号。鯉投では09年のルイス以来、4年ぶりの本塁打となった。
「あんな投球していたので何とかして点を取りたいと思っていた」。3‐0と先制した初回に川端に2ランを被弾。意地をバットに込めた3ランで取り返した。
本業でも魅せた。バレンティンと3打席、勝負し「56号」を阻止した。初回こそ四球を出したが三回は遊ゴロ。圧巻は六回だ。追い込んでから4球目、97キロカーブを外角低めいっぱいに決め見逃し三振。「狙い通りです」と、胸を張った。
バレンティンに気を使い過ぎたか六回、武内に2ランを被弾し6回4失点で降板。「(2被弾とも)同じ球。修正しないと」と反省は残したが、大量リードもあり、念願の10勝目を手にした。昨季から計8度目の挑戦でやっと2桁の壁を突破。「野手の人たちに勝たせてもらいました」と、感謝を口にした。
昨季終盤に“ガス欠”した反省を込め、今季は生活面をガラリと変えた。6種類のサプリメントを一切やめ、必要な栄養は食事で摂取している。
明大2年時に登板中、熱中症となり、その反省から栄養学を勉強。「野菜を多めに取り登板3日前以降は生ものは食べない。登板日には乳製品を取る」という、大学当時の生活スタイルに戻した。練習でも昨季のウエート重視から、大学時代のように走るメニューを増やした。
大学時代の思い出の神宮で10勝目を挙げたのも強い縁を感じる。本塁打は明大3年春のリーグ戦、東大戦で放って以来。「うれしいですね」と、喜びもひとしおだ。
チームも今季初の同一カード3連勝。野村監督は「祐輔の3ランが大きかった」と称えた。「この勢いを続けたい」と野村。14日からG倒へ最高の弾みがついた。