広島の新人、鈴木誠也内野手（１９）が１３日、マツダスタジアムでの全体練習に合流し、１軍に昇格することが決まった。１４日に出場選手登録される予定で、高卒野手が入団１年目に試合に出場すれば東出輝裕内野手（３３）以来、１４年ぶりとなる。

　初のＣＳ進出へ、厳しい戦いが続く中での大抜てきだ。“朗報”を伝えられたのは練習直後だった。「１軍の練習に参加だと言われてきたのに、明日から１軍と言われて…。びっくりした」。予想もしていなかった１軍昇格に、思わず目を丸くさせた。

　今年の新人では、上本に次いで２人目の昇格となる。ただ鈴木誠は高卒で、プロ入り後に投手から野手に転向したばかり。「正直、守備面は厳しいので１軍はまだかなと思っていた」と苦笑いを浮かべながらも、「打撃ではやれると思っていた」と力強く言い切った。

　その言葉通り、この日の打撃練習では１軍選手顔負けの打球を連発。バックスクリーンや左翼二階席へ、柵越えを何発も打ち込んだ。「自分でも驚くくらい打てた。アドレナリンのせいかな」と白い歯をこぼした。

　首脳陣も新たな風として期待している。野村監督は「２軍でも打っているそうだし、右投手にも結果を出しているしね」と話した。「１軍は夢の舞台。自分を信じて三振でもいいから思い切りやりたい」と誓った鈴木誠。入団当初から評価が高かった逸材が、スター街道への第一歩を踏み出す。