秋のコイ祭りじゃ!G菅野撃ち10得点
「広島10-0巨人」(15日、マツダ)
鯉祭りだ!広島は、打線が15安打10得点の猛攻を見せ、今季初めて巨人戦の同一カード勝ち越しを決めた。0‐0の二回に巨人・菅野智之投手(23)から4点を奪取。七回にも、2投手から5得点するビッグイニングをつくった。最近5試合の平均得点は8・2と絶好調の鯉打線。悲願のCS出場へ向け、このまま打ちまくれ‐。
鯉戦士が躍動した。次々とダイヤモンドを疾走し、10度本塁を駆け抜けた。今季2番目に多い3万2068人が熱視線を送ったマツダスタジアム。大声援を大きな力に変えたナインが、巨人投手陣から15安打10得点だ。
天敵・菅野を攻略した。0‐0の二回、梵が右翼線を破る二塁打。さらに木村が投前内野安打、石原は四球を選び無死満塁と好機をつくった。ここで前田健。初球のカットボールをとらえ、先制の中前適時打だ。
これで終わらない。「マエケンが打ってくれたのでノープレッシャーだった。楽に打席に入ることができた」。丸が右翼線突破の2点適時二塁打。キラにも中犠飛が飛び出した。この回、4本の長短打で4点をゲットした。四回にも1点を追加。菅野を5回9安打5失点でKOした。
この試合まで5度対戦し0勝3敗。菅野の広島戦防御率は対セ5球団の中で最も良い1・65だったが、打線は“6度目の正直”で黒星を付けた。「甘い球はしっかりと打っていこうと言っていた」と梵。丸は「今までやられていたので何とか勝とうと話し合っていた」とナインの声を代弁した。
新井打撃コーチは打線の奮起に手応え十分だ。菅野からの9安打中、実に6安打が初球打ちだったことに「ファーストストライクが打てるということは、気持ちが充実しているということ。バットが(素直に)出る良い傾向にある」と声を弾ませた。
七回にも菊池が満塁から走者一掃の適時二塁打を放つなど打者9人で5得点。9‐3で勝利した10日のヤクルト戦(神宮)から数え、ここ5試合は平均8・2得点。野村監督は「3、4番にチャンスを回すことができているし、野手陣はいい形の攻撃ができている」と目を細めた。
CS進出へ向けサバイバルレースが佳境を迎える中、好調な攻撃陣は頼もしい限り。今季は残り15試合。4位・中日が勝利したため、ゲーム差は3・5のままだが、ゴールテープは確実に視野に入ってきた。