19歳新人・鈴木誠プロ初安打が初適時打
「広島5‐4巨人」(16日、マツダ)
19歳のルーキーが大抜てきに応えた。プロ初安打がチームに先制点をもたらす貴重なプロ初適時打。同時にプロ初打点。「力まず来た球を打とうと思っていた。初ヒットがタイムリーになってうれしいです」。プロ初のお立ち台に上がった広島・鈴木誠はさわやかに笑った。
0‐0の四回2死一、三塁。代打で打席に立つと、今村の3球目のスライダーを力強く振り抜いた。鋭いバックスピンがかかった打球は、勢いよく左前に転がった。
先輩の言葉が力になった。現在、左手を骨折しリハビリ中の堂林だ。前日15日の試合後、荷物整理のため訪れた大野練習場で声を掛けられた。「打ちたがり過ぎている、と言われました」
前日は七回1死満塁の好機で、代打で登場。変化球を3球続けられ、空振り三振に倒れていた。テレビ観戦していた背番号7からもらった助言。力み過ぎたことを反省し、平常心で打席に立つことを誓った。
さらに堂林から「俺はプロ3打席目で初安打を打った」とチクリと言われていたという。それだけに「僕も何とか(3打席目で)打ちたいと思っていた」と頬を緩めた。
野村監督は「初ヒットでチームに勢いをつけてくれた」と手放しで称賛。となれば好循環に入る。また褒められたい。期待に応えたい‐。そう誓う鈴木誠は「明日もチームに勢いをつけたい」ときっぱり。初のCS出場を狙うチームに、また1人、若い力が加わった。