鯉連勝ストップ 野村監督「切り替える」
「広島1‐9阪神」(18日、マツダ)
広島は1‐9で完敗し、連勝は7でストップした。先発・野村祐輔投手(24)が3回2/37失点KOと試合を壊し、打線も阪神・能見に九回、広瀬純外野手(34)のソロのみに抑えられた。野村謙二郎監督(46)は「切り替える」と、サバサバ。4位・中日は勝ち、再び4・5ゲーム差。残り12試合、死力を尽くし歓喜へひた走るのみだ。
阪神相手に9失点の大敗を喫した。8日以来、10日ぶりの敗戦で赤ヘル怒とうの連勝は7でストップ。01年以来、12年ぶりの8連勝を逃した。だが、いつかは止まるし、こんな日もある。野村監督は試合後、サバサバと振り返った。
「(打線は)見ての通り。3点、1点、3点と失点すれば、楽に(能見も)投げられる。相手も勝つために必死なのでね。きょうは残念だったけど、また切り替えてやっていける」
誤算は先発の野村だった。初回にエルドレッドの拙守に失策も絡み3失点。その後も立ち直れず四回途中7失点。「悪い方の祐輔の状態。連勝のプレッシャーがあっただろうけど、腕も振れずエラーも絡んで失点して…。もう少しゲームをつくってくれると思ったけど」と、指揮官は努めて冷静に話した。
それでも、引きずるような1敗ではない。大差の付いた中盤以降は、丸、キラ、エルドレッド、梵の4人をベンチに下げた。思い切って主力を休ませたと前向きに考えればいい。
昨年のこの時期は辛酸をなめた。1勝8敗と大失速した9連戦の終盤で、ヤクルト相手に惨敗。CS進出が遠のくばかりの日々だった。昨年9月は6勝17敗1分け。それが今季はすでに10勝4敗。間違いなくカープに勢いはある。
CS前哨戦で最後に意地も見せた。0‐9の九回2死から、広瀬が左翼席へ8号ソロをたたき込んだ。若手、ベテラン、主力も控えも今は16年ぶりAクラスを目指し一丸となっている。「甘い球をしっかり捉えられた。あしたでしょう!」と広瀬。次戦へつながる一振りでナインの思いを代弁した。
4位・中日が勝ち、再び4・5ゲーム差。今後も死力を尽くした12試合が待つ。46歳最後を飾れなかった野村監督は最後にもう一度、「切り替える」と繰り返した。悲願のCS出場へ、前だけを向いて戦う。