「広島３-１阪神」（１９日、マツダ）

　最強助っ人右腕が止まらない。広島・バリントンが７回を１失点に抑え、自身最多の６連勝で１０勝目をマークした。これで通算３０勝に到達し、外国人投手では球団史上最多の通算勝利数を更新。「非常に光栄だね。３年間で３０勝できたのは、大きなケガなくローテを守れた証し。歴史に名を残せるのはうれしい」と満面に笑みを浮かべた。

　予期せぬ失点で目が覚めた。一回、無警戒だった坂に真ん中の直球を投げてしまい、先制弾を浴びた。「失投だった」と悔やむ１球。前日連勝が止まっただけに嫌な雰囲気になったが、一回の投球後、野村監督から「結果を考えずに思い切って投げてくれ」と声を掛けられ、頭の中を切り替えた。

　すると二回以降は見違えるような投球を披露した。「低めに投げるように気をつけ、チェンジアップを多くして打者のバランスを崩そう」。味方の守備に助けられながら、阪神打線を封じた。

　投手王国復活を証明した。前田健、野村、バリントンと１０勝投手が３人出たのは、９５年のチェコ、紀藤、山内以来、１８年ぶり。その一人だった山内投手コーチは「あと（大竹）寛も９勝だし、４人出したいね」と声を弾ませた。

　もちろんバリントンにとって３０勝は通過点だ。「来季もチームの勝利に貢献できるようにしたい」。疲れ知らずの頼れる右腕は、チームのためにこれからもフル回転する。