代打岩本V打!鯉CS最短24日決定
「広島3-1阪神」(19日、マツダ)
初のCS出場に、また一歩前進だ!広島は19日、阪神に逆転勝利した。1‐1の七回、岩本貴裕外野手(27)が決勝打となる右前適時打を放った。これで3カード連続の勝ち越し。さらに4位・中日が巨人に敗れたため、ゲーム差は5・5に広がった。クリンチナンバーは6とし、早ければ24日の中日戦(ナゴヤドーム)で悲願のCS出場が決まる。
決して会心の当たりではない。それでも勝利を呼び込んだ一打に変わりはない。「ちょっとラッキーだったけど、結果的にヒットになってよかった」。右翼席を中心に、鯉党からわき上がった歓声が球場にこだまする中、殊勲の男・岩本が小さく拳を握った。
1‐1の同点で迎えた七回1死二塁。好投したバリントンの代打で登場した。カウント2ボール2ストライクからの6球目。「同じ球が何球か来ていた。何とか食らいついていった」と、決して簡単ではない真ん中低めのカーブをうまく捉えた。打球は一塁手・新井の手前で大きく弾み、右前へ。勝ち越しの適時打だ。
7~8月の打率は・313。好調の夏は過ぎ暦が変わった途端、快音が消えた。9月に放った安打は6日のDeNA戦の1本のみ。この試合まで10打数1安打で打率・100と極度の不振に陥っていた。
チームが初のCS進出へ加速する中、「打ってやろうという気持ちが強過ぎていた。悔しい気持ちがあった」。凡退するごとに焦りは募った。
野村監督の一言が、その気持ちをリセットさせた。この打席の前だ。「初球からいってもいいけど大事に。ボールとストライクの見極めをしっかりとしなさい」(野村監督)。その初球は、高めに抜けたカーブ。自然体で打席に立つことができ、しっかりと見逃し、その後カウントを整えた。
さらにこの日は、指揮官の47歳の誕生日だった。試合前に携帯サイトでそのことはチェック済み。特別な日に決勝打を放ち、「いい誕生日プレゼントになったと思います」とはにかんだ。
4位・中日が巨人に敗れたため、早ければ24日の中日戦(ナゴヤドーム)で初のCS出場が決まる。「いつもああいう場面(チャンス)で使ってもらっている。(期待に)応えられるように1打席に集中していきたい」。背番号10が悲願達成に向け、大きな推進力となる。