マエケン打球直撃!連勝9でストップ
「中日5-1広島」(26日、ナゴド)
祝CS進出星ならず…。広島・前田健太投手(25)が初回、打球が右脚に直撃するアクシデントに見舞われ、5回5安打3失点で今季6敗目。自身の連勝は9で止まり、82年北別府氏(11連勝)以来、球団2人目の2桁連勝を逃した。リーグ最多15勝で並ぶヤクルト・小川を突き放せず、痛すぎる一夜となった。
病み上がりの体に、いきなり不運が襲った。初回先頭・藤井の4球目、弾き返された強烈なライナー。前田健は避けきれず、右膝の下付近に打球が直撃した。
前のめりに崩れると痛みに顔をゆがめ、立ち上がれない。マウンドに駆けつけた山内投手コーチにおぶわれ、ベンチへと治療に下がった。
誰もが続投は難しいと思った。野村監督からも交代を打診された。それでもテーピングを巻くと、「投げてみます」と続投を志願した。実際に投球練習を行い、「投げられる」と、マウンドに残った。
前夜、初のCS進出が決まり、残り試合でタイトル争いに照準を合わせていた。手負いでも1試合も無駄にできなかった。痛みに顔をしかめながら、気迫で2番・クラークを一ゴロ併殺。続く森野を三振に斬り、初回を無失点に抑えた。
右足を引きずりながら、二回先頭の平田にはこの日の最速150キロを計時。だが、高橋周に15イニングぶりの失点となる先制二塁打を許した。「痛みがなければ、あんな投球にはならない」。本来の力にはほど遠かった。
0‐1の四回には拙守も響いた。2死一塁、堂上剛の左前へ上がった打球を左翼手・エルドレッドが後逸(記録は三塁打)。前田健はため息をついた。続く岩崎にも適時打を浴びた。
五回を投げ終えた時点で「バランスがおかしいので代えて下さい」と指揮官に訴え、降板した。5回5安打3失点で今季6敗目。自身連勝は9でストップ。球団では82年・北別府氏(11連勝)以来の2桁連勝を逃した。
前回21日の巨人戦(東京ドーム)は38度の高熱を押し、6回1安打無失点。試合中、病院に直行し、へんとう炎と診断された。気合の中4日登板だったが、続く災難に、さしもの超人も力尽きた。
中6日で10月3日の中日戦(マツダ)がレギュラーシーズン最後の登板となる見込み。広島より4試合多い、9試合を残すヤクルト・小川との最多勝争いへ、16勝目を逃したのは痛すぎる。