前田智、引退「謝罪Tシャツ」発売へ
広島は9月30日、今季限りでの現役引退を表明した前田智徳外野手(42)の引退記念グッズを発表した。注目は「マエトモ引退Tシャツ」だ。5月に入場券とセット販売した「I’ll be back」Tシャツの購入者に、復帰できなかったことへの謝罪の意味を込め、「Sorry,I couldn’t make it」と書かれたTシャツを作製。「I’ll be~」購入者は「Sorry」とのTシャツ交換も可能だが、前田ファンはどちらも欲しい?
前田智の引退はファンだけでなく、球団としても想定外だった。4月23日のヤクルト戦で左手首を骨折し、その2日後に手術をした時には本格的な練習再開まで2、3カ月と診断された。順調にに回復すれば8月には復帰するはず。そこで5月に球団は「I’ll be back」Tシャツを作り、チケットとセットで販売した。
しかし結果的に前田智は、グラウンドに「I’ll be back」(また戻ってくる)はできなかった。その約束を守れず、球団首脳は「『I’ll be back』がウソになってしまった」といたたまれない思いになり、今回「Sorry,I couldn’t make it」(ごめん、できなかった)と書かれた「マエトモ引退Tシャツ」を作製することになった。
しかも「I’ll be back」Tシャツ購入者にはわざわざダイレクトメールを送り、10月1日から8日までマツダスタジアムの入場券売り場で新品の「マエトモ引退Tシャツ」と無料交換することを伝えた。
ただ、前田智の現役引退表明後、「I’ll be back」Tシャツへの抗議の電話などはないという。それどころか、復帰が“幻”となったことで、逆にプレミアTシャツになっているのかもしれない。
それでなくても現在、前田智グッズを買い求める人が急増中だ。10月1日には前田智のハイクオリティーユニホーム(8千円)を大量入荷することも決定。この反響に、球団首脳は「想像の域を超えている」と驚きを隠せない様子だった。
またこの日、3日・中日戦(マツダ)での引退セレモニーの内容も発表された。来場者全員に「前田智徳『謝』ポスター」が配布され、始球式では前田智の次男・晃宏君(小4)が投手を、長男・浩由君(小6)が捕手を務めることが決定。試合終了後には前田智のあいさつが行われる。
背番号1の勇姿を見られるのもあとわずか。“最後の日”へ、マツダスタジアムは徐々にお別れムードに包まれてきた。