前田の母・美智子さん涙「お疲れさま」
「広島3‐5中日」(3日、マツダ)
広島・前田智の家族がマツダスタジアムを訪れ、スタンドから最後の勇姿姿を見つめた。父の秀則さん(73)は息子の引退に「ついに来たという感じです。自分の子供だと信じられないようないいプレーもあったし、悪いプレーもあったが、よくここまで来たものだと思う」と話し、母・美智子さん(67)は「ケガとの付き合いで、お疲れさまと言うしかない」と涙ぐんだ。
試合前には、兄の浩由君(12)が捕手を、弟の晃宏君(10)が投手を務め、前田智がマウンド横で見つめる中、始球式を行った。この日が12歳の誕生日だった浩由君は「テレビで活躍した場面を見たりして、憧れの存在だった」とほほ笑み、晃宏君は「優しいところもあるし、怒ると怖いお父さん。野球を教えてくれる時は優しい」と、パパの素顔を明かした。
妻の英美さん(38)は長女の菜々子ちゃん(3)を抱っこしながら「ホッとしています」と本音をこぼした。「生活はほとんど野球だった」と振り返り、「休みの時もリハビリばかり。本当に大変だったと思うし、頑張っている姿に家族も心を打たれました」と現役生活を終えた夫をねぎらった。