岡田氏「私ならマエケンはCS2戦目」
クライマックスシリーズのファーストSは、セパともに12日に開幕する。セ・リーグは2位の阪神が3年ぶり4度目、3位の広島は初のCS進出となった。
その初戦、広島の先発最有力候補は前田健太。今季は26試合に登板して15勝7敗、防御率2・10とエースの名にふさわしい活躍を見せた。
阪神戦は6試合に登板して4勝1敗、防御率0・40と抜群の安定感だった。1敗は7月7日にマツダでの対戦で喫したものだが、その試合は6回0/3を投げて失点は鳥谷のソロによる1点のみ。味方打線の援護がなかっただけで、阪神打線に攻略されたという内容ではなかった。
阪神にとっては手ごわい相手が、CS初戦の先発マウンドに上がることになる。これだけの投手を相手に勝ち星を拾うのは簡単ではない。マエケン攻略法について、元阪神、オリックス監督の岡田彰布氏はこう語る。
「マエケンは1年間やって全然打ててないわけやから、打順とか何をどうするとかいうのはない。仕掛けるといっても、まずランナーが出てからの話やから」
打順変更や狙い球の指示など、一般的な相手投手の攻略法が通用する相手ではない。阪神がファイナルSへ進むためには2、3戦目に連勝するしかないのかもしれない。
逆に広島は初戦をマエケンで取って勢いに乗りたいところだが…。岡田氏の考え方は違う。
「もし私が広島の監督だったら、マエケンを2戦目に先発させる。1戦目はもうどんな展開になっても野村、バリントン、大竹をつぎ込んで全力で取りにいく」
その効用について、こう説明する。
「広島が1戦目を取れば“2戦目はマエケンが来るからやばい”と阪神に大きな重圧をかけられる。その場合を含めて広島が勝つケースは2戦2連勝しかない。どのみち1勝1敗になったら3つめは阪神が取って、阪神が2勝1敗で勝つ」
おそらく広島の初戦先発はマエケンで揺るぎないだろうが、もし広島ベンチが岡田氏の考えのようにマエケンを2戦目に回したとしたら…。阪神にとってはさらに苦しい戦いを強いられるかもしれない。
(デイリースポーツ・河上俊明、岩田卓士)