広島が、阪神とのＣＳファーストＳ（甲子園）の行われる１２～１４日まで、マツダスタジアムでパブリックビューイング（ＰＶ）を開催することが７日、決まった。旧市民球場時代を含めても、球場でのＰＶ開催は球団史上初の試みで、内野席を無料で開放する予定。定員は１万２０００人。ＣＳを突破し、日本シリーズ出場を目指す野村鯉を、マツダスタジアムから熱い声援で後押しする。

　甲子園に行けない鯉党に朗報だ。１６年ぶりのＡクラス入りを果たした広島だが、惜しくも順位が３位だったためＣＳファーストＳは敵地で行われる。それでもマツダスタジアムでカープを応援したい人たちのために「カープファン大集合！ＣＳパブリックビューイング」と題し、球団史上初めて球場でＰＶを開催することになった。

　今回のＰＶは、１２～１４日（場合によっては１３日まで）の試合開始の午後２時から試合終了まで、バックスクリーン上の大型ビジョンで試合が生中継される。さらに通常の試合開催日と同様に、スコアボードに得点が入ったり、カウント、メンバーも表示される。

　しかも入場料金は無料だ。開放されるのは、内野席一般席・内野コンコースで、球場内の一部売店も営業される予定。ただ定員は各試合１万２０００人と限られており、入場するには整理券が必要。その整理券は９日午後１時から球場正面一塁側入場券売り場や、中国新聞と地元テレビ局の各受付で配布される。

　ＰＶ開催のきっかけは、前田智の引退試合の際に広島市中区の基町クレドで行われたＰＶだった。前田智の最後の勇姿を見ようと約１５００人のファンが集まったことで、カープへの反響を実感。しかも今回はＣＳ初出場という歴史的出来事だけに、球団首脳は「思いを共有しながら楽しみたいという人たちのために、みんなで応援できる場を提供しようということ」と語った。

　選手にとっても励みになるのは間違いない。前田健は「厳しい戦いになるとは思うけど、そこを突破すれば盛り上がると思う。１６年ぶりのＡクラスだし、盛り上がってもらえるように頑張りたい」と笑みを浮かべた。

　３位からの下克上を目指す野村鯉。敵地が虎党で真っ黄色に染まるのは確実だが、それに打ち勝つためにも鯉党もマツダスタジアムに集結し、甲子園まで熱い声援を届ける。