バリCS大丈夫?社会人相手に被安打8
「練習試合、広島7‐1JFE西日本」(8日、マツダ)
盤石だったはずの鯉投手陣に異変が起こっている。広島は8日、マツダスタジアムで社会人のJFE西日本と練習試合を行った。阪神とのCSファーストS第2戦の先発が有力視されるブライアン・バリントン投手(33)が、4回1失点ながら8安打を浴びる乱調。第1戦先発が有力な前田健太投手(25)も6日の今季最終戦で6回5失点と崩れたばかり。3位からの下克上を目指す野村鯉に暗雲が立ちこめた。
相手は格下の社会人チーム。しかし、そこに今季11勝をマークした助っ人右腕の面影はなかった。4回を投げたが、毎回安打を浴び、二回と三回には連打を食らった。そして四回には1死一塁から、左中間を真っ二つに破られる適時三塁打を浴び、1点を失った。
最速は142キロ。制球も定まらず、真ん中に集まった。負けた時でも冷静に投球を振り返るバリントンだが、この日の試合後は通訳を通じて「ノーコメント」と取材をさえぎり、報道陣の前から消えていった。
確かに登板間隔があき過ぎていた影響はあったはずだ。前回の登板は9月25日の中日戦(ナゴヤ)で、中12日の登板間隔。その間に体調を崩したもようで、山内投手コーチは「体がキレてなかったし、腕も振れてなかった。体調が悪かったのもあったかもしれないが、あと何日かの間で調整してもらう」と話した。
順調ならば、13日のCSファーストS第2戦での先発が有力だ。この日は、その本番へ向けての最終登板だった。しかし内容の悪さに首脳陣も不安は隠せず、野村監督は当初の登板予定を変更する可能性について「あるね」と話し、山内投手コーチも「直前のブルペンの状態を見て」と“回避”の可能性を示唆した。
第2戦でのバリントンの先発を回避した場合、選択肢は2つ。第3戦の先発が有力な大竹を前倒しするか、リリーフ要員の久本や今井を先発で起用するか。この日3回無失点の大竹については、「言うことない」と称賛した野村監督。久本らリリーフ陣の先発起用は奇襲になるが、2戦先勝のファーストSは第2戦が命運の鍵を握るだけに悩みどころだ。
26年ぶりの4投手2ケタ勝利を達成し、投手王国復活を全国に知らしめた鯉投手陣。ただここに来て、今季最終戦で不安を露呈した前田健に続き、バリントンも万全ではないのは明らかになった。CS本番まで時間はない。危機感を抱きつつ、野村鯉は敵地に乗り込むことになりそうだ。