赤ヘル突破!下克上じゃ原G覚悟!

 「セCSファーストS第2戦、阪神4-7広島」(13日、甲子園)

 クライマックスシリーズ(CS)のファーストS第2戦を行い、シーズン3位の広島が逆転勝ちし、2連勝でファイナルS進出を決めた。ブラッド・エルドレッド内野手(33)が勝ち越し打に好守と奮闘し、キラ・カアイフエ内野手(29)も同点打。先発のブライアン・バリントン投手(33)も力投と、助っ人勢が勝利を呼び込んだ。この勢いで、16日に開幕する巨人とのファイナルSも突破する。

 甲子園のレフト側を赤く染めた鯉党は総立ちだった。0‐1の六回、2人の助っ人砲が逆転劇をもたらした。まずはキラだ。1死三塁、3球目の高め147キロ直球を強振すると、打球は右翼線で跳ねる同点の適時二塁打となった。

 「思い切りスイングした結果。良いタイムリーになった」。第1戦の決勝3ランに続く、4番の仕事。難敵メッセンジャーに五回まで抑え込まれていた打線はこれで目覚めた。

 なお2死三塁で次はエルドレッド。「お前で決めろ!ブラッド!」。スタンドから熱いコールが響く中、恐怖の6番は初球の147キロ直球を逃さず、豪快に引っ張った。打球は三遊間を抜けて左前へ。今季10打数1安打と抑え込まれたメッセンジャーに大舞台で雪辱した。殊勲者は試合後、値千金の勝ち越し打を「いいゾーンに入った球に反応し、振り抜けた」と、興奮気味に振り返った。

 9月25日の中日戦、球団史上初のCS進出を決めた一戦で、エル砲は決勝2ランを放った。米国時代に「マイナーで一度だけ」経験したプレーオフ。「盛り上がるし、雰囲気が好き」。緊張感漂う舞台でこそ本領を発揮する、頼もしき男である。

 守備でもビッグプレーを見せた。0‐1の二回1死一塁、藤井彰の痛烈な打球が頭上を襲ったが、懸命に背走し、ジャンプして見事に捕った。その勢いで左翼フェンスに激突も、帽子を飛ばしながら必死に中継へ返球。一走・坂が帰塁できずに併殺が完成した。「打球に、いい読みだったし、いいジャンプ。守備で貢献できるのはうれしいね」と笑顔を弾ませた。

 初のCSで助っ人勢が大暴れし、敵地で虎撃破。「(エルドレッドの)守備はビックリ。守備練習をしっかりやってきた成果。キラは読みがしっかりしている。多くのファンに勇気付けられた」と野村監督も興奮を隠せなかった。試合後はチーム全員で外野に走り、左翼席の鯉党へ帽子を取って感謝の思いを表した。

 甲子園で万歳コールがわき上がる中、エル砲は力強く言い切った。「東京でもいい試合をして、何とか勝って、広島に帰りたい」。虎をのみ込み、16日から東京ドームで巨人とファイナル決戦。下克上へ、鯉の勢いは止まらない。

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