大瀬良?吉田?鯉ドラ1決められず…

 「プロ野球ドラフト会議」(24日、グランドプリンス新高輪)

 広島は23日、東京都内のホテルでスカウト会議を開き、1位指名選手を決めずに24日のドラフト会議に臨むことになった。例年、広島はドラフト前日には1位指名選手を決めているだけに、今回は異例の措置だ。1位候補は九州共立大の大瀬良大地投手(22)とJR東日本の吉田一将投手(24)に絞ったもようだが、ドラフト会議直前まで他球団の動向を注視し、最終決断を下す。

 決まらなかったというよりは、決めることができなかった。スカウト会議を終えた松田オーナーは「(1位は)決まらなかった。明日決める」と、さばさばと話した。1位指名選手を確定させないでドラフト会議を迎えるのは、異例の措置。苑田スカウト統括部長も「決まっていないのは初めてじゃないか」と明かした。

 スカウト会議出席者には“かん口令”も敷かれていた。多くの報道陣に囲まれた野村監督は「しゃべっちゃいけないと言われているから」と苦笑い。ビデオで上位候補選手を10人程度見たようだが、「1位候補は2、3人?わからない」とはぐらかした。

 それほど今年のドラフトは広島にとって重要だ。1位候補の本命は、九州共立大の大瀬良とJR東日本の吉田の2人。ともに即戦力で1年目からローテ投手として活躍できる逸材だけに、どちらでもいいから欲しいのが本音だ。

 今季の広島投手陣は、前田健、バリントン、大竹、野村の4人が2ケタ勝利を収めたが、5人目が出てこなかった。野村監督も「イニングを任せる(5人目の)投手がいなかった」と今季の反省点に挙げているが、大瀬良か吉田が加われば、その課題を解消できる可能性が高い。

 ただ2人とも競合は必至。そこで球団は獲得する確率を高くするためにドラフト直前まで情報収集し、1位指名が少ない方を指名する方針にしたもようだ。

 昨年はドラフト前日に松田オーナーが東福岡の森を1位指名することを公言。単独指名は確実とみられていたが、ドラフト当日に楽天の“横やり”が入り、抽選で獲得に失敗した。その悪夢を繰り返さないためにも、今回の“結論先送り”になったのかもしれない。

 来季の野村鯉を占う今年のドラフト会議。大瀬良か、吉田か。本番ギリギリまで、頭を悩ませそうだ。

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