鯉3位田中が宣戦布告「開幕から行く」
広島は26日、千葉県柏市のJR東日本野球部柏野球場で、ドラフト3位の田中広輔内野手(24)=JR東日本=に指名あいさつを行った。1軍クラスの守備と走力と評される田中は、梵英心内野手(33)の後継者になることを宣言。1軍入り後には、高校、大学とチームメートだった巨人の菅野を自らのバットで倒すことを誓った。
必ず1軍で活躍する。田中の目は満ちあふれていた。「梵さんという素晴らしいショートが広島にはいるので、いろいろなものを吸収したい。もちろん開幕から行く気はあるのでケガをしないようにプレーする」。激戦の内野陣に割って入ることを力強く誓った。
内野陣は新旧交代が進行中だ。一塁は外国人のキラだが、二塁は24歳の菊池、三塁は22歳の堂林。ただ遊撃の位置は、33歳の梵が健在。今季も両膝に不安を抱えながらも勝負強い打撃で、初のCS出場に貢献した。遊撃の田中にとっては大きな壁だが、「自分もここまでやってきた経験がある。慌てずにやっていきたい」と、虎視眈々(たんたん)とその座を狙う。
担当の尾形スカウトもレギュラーになれる素材と評する。「野村監督から内野手が欲しいと言われ、アマNo.1野手に挙げたのが田中。走塁と守備はいい。あとはどれだけ打てるか。1軍枠に入れる選手」と期待は大きい。
1軍では東海大相模、東海大でチームメートだった巨人の菅野が待っている。24日のドラフト後は「おめでとう」という祝福メールをもらったという。
広島は今季、その菅野に1勝4敗と辛酸をなめた。だが来季はそうはさせないとばかりに、田中は「高校時代に紅白戦とかで対戦したことはあるけど、結果は五分五分くらい。(プロでは)1球目から甘い球をどんどん振って、自分が打開していきたい」と、菅野攻略の急先鋒(せんぽう)役に名乗りを上げた。
初めて訪れる広島では、今年3月に入籍した亜子夫人とともに生活する予定だ。チームには丸、菊池、野村と同級生も多く、「楽しみ。広島のおいしいお店とか教えてもらいたい」と笑みを浮かべた。来季は野村鯉の内野陣が熱い。