広島が新助っ投左腕フィリップスを獲得
広島は27日、来季の新外国人として米大リーグ・マーリンズからFAとなったザック・フィリップス投手(27)を獲得したことを発表した。1年契約で契約金1500万、推定年俸4000万円。変化球のキレが抜群で奪三振率の高い左腕。セットアッパー候補として、勝利の方程式の一角に期待している。
CSファイナルS敗退からわずか9日、赤ヘルが速攻で来季の補強に動いた。フィリップスとこの日までに契約合意。手薄だった左腕の獲得に成功した。
183センチ、86キロと助っ人にしては小柄ながら、売りはキレ抜群の変化球だ。カーブ、チェンジアップ、カットボールを操る。球団首脳は「力でバーンではなく、コンビネーションで勝負するタイプ。140キロ台の直球にカーブもある。コーナーに投げ分け、空振りも三振も取れる」と、評価する。
今季は3Aで50試合に登板、59回を投げ74三振と1イニング平均1・25三振。メジャー登板は通算19試合、15回2/3にとどまるが、計14三振を奪っている。
役割はセットアッパーとして期待される。守護神にアクシデントがあった場合には「代わりになる」と球団首脳。27歳と若く勝利の方程式の一角としてフル回転が可能だ。
近年、広島に在籍した外国人左腕ではベイル(04~06年、10年に所属)が活躍した。04年に先発で11勝、05年は抑えで24セーブを挙げた左腕と比べ、球団首脳は「ベイルより球持ちが良く、最後にグッと引っ張ってくるタイプ」と、話した。
今季は先発4本柱に加え、リリーフ陣もミコライオ、永川勝、横山、今村、今井ら右腕がそろう。ドラフトでも1位・大瀬良(九州共立大)、同2位・九里(亜大)、同4位・西原(ニチダイ)、同5位・中村祐(関東一)と右腕が占めた。
今季、初のCS進出に導いたリーグ屈指の鯉投陣をさらに強化する助っ人左腕。10月中の異例スピード契約は、来季23年ぶりV奪回へ向けて並々ならぬ意気込みの表れ。
◆広島来季の外国人陣容 広島は今季、異例の外国人7人体制で臨んだが、来季は5~6人を予定している。2年契約最終年のバリントンと、今季途中加入ながらチームトップタイの14本塁打を放ったキラの残留は決定的。守護神・ミコライオも契約更新が濃厚だ。ソコロビッチは退団する。球団は大砲タイプの野手を調査して今後の獲得を目指しており、エルドレッド、ルイスの去就は流動的だ。