野村鯉 複数ポジション制で選手層強化
広島の野村謙二郎監督(47)が2日、日南市内の宿舎で、3日から始まる秋季キャンプで複数ポジション制に取り組むことを明かした。選手層の底上げを目的に若手に複数の守備位置を挑戦させる方針で、堂林翔太内野手(22)には三塁以外にも一塁、外野を守らせる予定。この日は選手、首脳陣らが広島から日南入りした。
巨人のような圧倒的な戦力に対抗するにはどうすべきか。野村監督は弱点である選手層の薄さをカバーすべく、秋季キャンプで取り組むテーマを掲げた。
「複数のポジションを守らそうと思っている。(複数守ることで)打撃が生きる選手も出てくる。キャンプの中で、いろいろと見ていきたい」
複数ポジションに挑ませる選手の中で、まず名前が出たのは堂林だ。「堂林は2、3ポジションをやる。3(一塁)、5(三塁)、9(右翼)という中で、試合に出て挑戦させていく」と話した。
堂林は1軍では三塁しか守ったことがない。だが今季は昨年に続きリーグワーストの19失策。守備の負担か、左手骨折で規定打席には達していないが、打撃は打率・217と不振に陥った。
野村監督は「堂林本人としてもサードでレギュラーをつかみたいというのはある」と気持ちを察している。ただ「サードで打てればサードだが、誰かをサードに入れて外野で打撃を伸ばす方がいいのか。見極めていきたい」と三塁に固執せず、選択肢を与えたいと考えている。
堂林以外にも、松山は一塁、三塁、外野、小窪は内野全ポジション、上本は二塁、遊撃、三塁、安部は二塁、遊撃、三塁、外野など、多くの若手に複数ポジションを挑戦させる。そして今回のキャンプでは、複数ポジションの能力を見極めるため、1クールに1回の紅白戦、西武との練習試合など実戦を多く行う予定だ。
今季以上の順位を勝ち取るためにも、成し遂げたい複数ポジション制。指揮官は「決まったポジションだと、けが人が出たときに苦しくなる。今から適性を見て、こちらとしても自信にしたい」と語気を強めた。来季の野村鯉を占う秋季キャンプが始まる。