中東、花巻東・千葉流カット打法極める

 広島・中東直己外野手(32)が15日、マツダスタジアムで契約交渉を行い、150万増の1200万円でサインした。今季は5月までは打撃好調だったが、6月以降は下降し2軍落ち。来季はシーズン通じて活躍することを目指し、今夏の甲子園を沸かせた花巻東・千葉翔太外野手(3年)のような「カット打法」習得へ意欲を見せた。また同球場では天谷、迎、キャンプ地の宮崎では今井らも契約を更改した。

 168センチとプロでは小兵の中東が、生き残りへのヒントを見つけた。「安打を打たないにしても投手に球数を投げさせたり、僕にしかない色を出さないと。大胆に行く」

 今夏、156センチの2番打者が甲子園を沸かせた。花巻東の千葉は「カット打法」を武器にファウルを打ち、粘りに粘った。準々決勝では鳴門の投手に5打席で41球を投げさせ、5出塁。一方で高野連からは、高校野球特別規則では、カット打法がバントと判断される場合もある(ファウルを打ち続けても、スリーバント失敗で三振になる)と通達されたことも話題になった。

 中東もその姿を目に焼き付けた。「いやらしく食らい付くところはチームに必要。あれは技術。彼は問題になったけど、プロなら問題ない」。来季へ向け、鯉の“カットマン”を目指す考えだ。

 今季は開幕1軍入りし、5月は3度のお立ち台に上がるなど絶好調。同14日のDeNA戦(マツダ)ではプロ初の本塁打も放った。ただその後不調に陥り、7月1日に2軍落ち。チームはCS進出したが、中東は蚊帳の外だった。

 契約交渉では球団から「1年通し1軍にいてほしい」と言われ、150万増の1200万円にとどまった。

 「(2軍に)落ちてから上がれなかったのは力のなさ。CSもテレビで見て歯がゆい思いがあった。打てば1年間1軍に置いてもらえる。(出塁の)確率を上げないといけない」。外野手に捕手もこなす貴重なマルチ選手がカット打法でしぶとく1軍に食い込む。

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