マエケン、ドラ1大瀬良よ“甘えるな”

 広島の前田健太投手(25)が27日、ドラフト1位の大瀬良大地投手(22)=九州共立大=に、自らチームに飛び込むよう注文した。都内のホテルで行われた、勝利に貢献するプレーをした選手に贈られる「ジョージア魂賞」の表彰式に出席したエースは、大瀬良を過保護にしないことを明言。同時に1年目での2桁勝利には太鼓判を押した。

 楽天の田中や、巨人の菅野らと談笑し、楽しい表彰式を終えた。リラックスした様子で会場から出てきた前田健だが、自ら今年のドラフトのことを話し始めると、少し表情が変わった。

 ドラフト会議には注目していた。チームが3球団競合の末、大瀬良を引き当てた時は「興奮した」という。また侍ジャパンの一員として台湾との強化試合に登板した大瀬良もチェック。「真っすぐがいい。2桁も大丈夫。1年間(ローテで)回れれば、それなりに勝てる」と太鼓判を押した。

 大竹がFAで抜けただけに期待は大きいし、もちろん歓迎はする。だが甘やかすつもりはない。「子供じゃないし、過保護にしてはダメ。黄金ルーキーだからとか、1位、2位だからとかは関係ない」と言い切った。

 実は自身も新人時代は苦労した。入団当初はチームに溶け込むことができず、斉藤から「お前は面白くないやつだな」と指摘されたという。「僕はお酒が苦手だし、高校の時も会話はあまりしていなかった。高校時代の癖で『はい』と『いいえ』しか言えなかったし」と苦笑した。

 その後は努力して飛び込み、今やチームの中心的存在になった。だが社会人としてのコミュニケーション能力が必要なことを痛感した。「野球以外のところでも気を使うところは使い、使わないところは使わない。今のチームは上下関係とかはないし、しゃべらないとこちらも気を使うしね」。大瀬良には野球人であると同時に、社会人であることを認識してもらいたいということだ。

 もちろんマエケン自身も“先輩”として恥ずかしい姿は見せないつもりだ。「自覚を持ってやりたい。しっかりした成績を出していかないと示しがつかない」。言葉ではなく、自らの行動で大瀬良を育てていく。

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