鯉16億円で悲願の室内練習場が今秋完成
広島は8日、マツダスタジアム(広島市南区)に隣接する室内練習場の新設を発表した。4月に着工し、11月にオープンする予定。鉄骨3階建てで、45メートル四方の練習場とブルペンが4カ所設置される。本拠地球場近くに室内練習場が建設されるのは球団史上初となる、総費用は約16億円。球団幹部は「悲願だった」と感慨に浸った。
ようやく悲願がかなう。旧広島市民球場、マツダスタジアムには、これまで隣接する室内練習場がなかった。屋外球場を本拠地にする球団で唯一、広島だけが取り残されていた状態だった。
雨天時は大変だ。アップは球場通路で行い、雨中の屋外でランニングやキャッチボール。一塁側ブルペン3カ所でティー打撃やマシン打撃を行う。投手は、三塁側ブルペンを使用。投内連係も困難だ。球団史上初の建設に球団幹部は「悲願だった」と話した。
総費用は約16億円。今年4月に着工し、10月に竣工(しゅんこう)式、11月にオープンする予定。敷地面積は6230平方メートル。内野の広さにあたる45メートル×45メートルのメーン練習場と、ブルペン4つが設けられる。鉄骨3階建てで、2階部分にはオープンデッキや、施設内が見学できるギャラリースペースも設けられ、少年野球教室も行われる。
選手会は以前から室内練習場の建設を要望していた。昨年12月に新選手会長に就任した梵はマツダスタジアムで汗を流した後、「選手にとってはプラス。練習に身が入る。個人的にも早く使いたい。(ブルペン内での打撃練習は)若い人は先輩がいてやりづらかったと思うが、解消できる」と歓迎した。栗原も「雨が降ると守備練習ができなかったので、今までとは全然違う」と喜んだ。
松田オーナーは「これで環境が整う。今まで打撃練習も狭いところでやっていたから、打力も上がるだろう。もっと強くなれる」と、期待を寄せた。
室内練習場の新設は、球場西側の開発計画の一環。練習場の近くには婚礼施設、15階建てマンションも建設される。練習場が使えるのは今秋から。選手たちは胸を躍らせて、まずは23年ぶりの優勝を目指す。