大瀬良 新球はマー君流スプリット挑戦
広島のドラフト1位・大瀬良大地投手(22)=九州共立大=が26日、春季キャンプでスプリットに本格的に取り組む考えを明かした。新ポスティングシステムを利用し、米大リーグ・ヤンキースへの移籍が決まった田中将大投手(25)が武器とするスプリットと握りは同じ。海を渡る大投手に匹敵するキレを目指す。
目を輝かせた。大瀬良はスプリットについて「キャンプで投げて使えるようにしたい」と言い切った。
大学4年夏に一度、同球に挑戦した。だが、当時はエースとしてチームを勝利に導くことだけを考えていた。秋季リーグでの勝利を最優先。新球ではなく持ち球の完成度を高めることに力を注いだ。
理想は田中流のスプリットだ。「あれだけを投げていても打たれない。動画投稿サイトで見たら(田中と)握りは一緒。ベースはマー君」。直球と球速がほぼ変わらず打者の手元で鋭く落ちる‐。ヤンキースへ入団する大投手のような軌道を思い描く。
11年春季キャンプでマエケンがフォークに挑戦した。だが他球種に悪影響が出ることを懸念し、途中で断念した。「僕はないと思う」。サラリとかわし習得に自信をのぞかせた。
この日は立ち投げで合同自主トレ最多の70球を投じた。スプリットも5球投じた。前日25日は大学で卒論の発表があったため練習を休んだ。その影響を感じさせないブルペンに「大丈夫だった」と汗をぬぐった。
「まだ落ちるときと落ちないときがある。色んな人に話を聞きたい」。カーブ、カットボール、スライダー、チェンジアップに新球スプリットが加われば投球の幅は広がる。飽くなき探求心が黄金新人をさらに進化させる。