野村祐、超速仕上げで開幕投手奪取へ
広島・野村祐輔投手(24)が29日、春季キャンプ初日のブルペンで、プロ3年目にして初めて捕手を座らせた投球をすると宣言した。10~27日まで東京都府中市の明大グラウンドで自主トレ。立ち投げながら既に6度ブルペン入りし、ハイペースで調整してきた。先発ローテの一角として期待される右腕が、例年にない「超速仕上げ」で開幕を迎える。
手応えを感じていた。キリリと引き締まった表情と力強い言葉の数々がその証し。荷物整理のためマツダスタジアムを訪れた野村は「去年とは全然違う。しっかりとトレーニングができた。2月1日にブルペンに入る。捕手を座らせる?そのつもりでやってきた」と言い切った。
年末に5日間、ハワイで初の海外自主トレを敢行。体づくりを主眼に置き、みっちりと汗を流した。年明けは10~27日まで明大グラウンドでダッシュやウエート、昨季痛めた右肩のケアなど1日約9時間のハードメニューをこなした。体重は昨季と同様の81キロながら「しまった感じがする」。肉体の変化も感じ取った。
十分な体づくりがハイペース調整を後押しした。立ち投げながら既に6度ブルペン入り。習得中のシュートも織り交ぜながら右腕を振った。「本来は投げて(肩を)つくるタイプ。(捕手は)中腰くらいで、変化球も交えて60球は投げた」
過去2年はオフの間に多数の行事に参加。満足のいく練習を積めずスローペース調整を余儀なくされた。
1年目は第2クールの2月7日に初ブルペン。立ち投げで19球を投げた。昨年は初日にブルペン入りしたが、捕手を座らせた投球は第2クールの5日。シート打撃の登板は16日だった。「1年目、2年目は準備不足だった」。この時期にこれほどブルペン入りするのは、3年目にして初めてのこと。このまま順調に進めば、例年より早い実戦形式や紅白戦での登板も視野に入ってくる。
昨季は初の2ケタ勝利となる12勝をマークした。今季は「誰もがしたいと思っている」と、大本命のマエケンから開幕投手の座を奪うことを最初の目標に掲げる。
「本当にしたかったことができた。焦りはない。手応えがある。(キャンプでは)開幕に照準を合わすのではなく、1年間を乗り越える準備をしたい」と闘志を燃やした野村。自信と自らへの期待を胸に、スタートラインに立つ。