今村復権ボディー!独自の食生活で完成
広島の21選手は30日、宮崎県日南市での先乗り自主トレを打ち上げた。セットアッパーの地位奪回を目指す今村猛投手(22)は、今オフに独自で食生活改善に取り組み、肉体強化。2月1日のキャンプインに向けて「昨年とは違うものを見せられる」と、巻き返しを約束した。
あいにくの雨模様。今村は室内練習場やブルペン内で、キャッチボールや瞬発系の補強運動で汗を流した。キャンプを前に「投げることよりも、体の状態を上げることをメーンにやってきた。それはできたと思う」と、手応えを口にした。
体重は昨年と同じ95キロだが、引き締まった印象。その理由を問われ「鶏肉や海藻類を摂って、油分を減らす食事をとってきた。炭水化物の量も、その日の運動量に応じて決めていた」と明かした。独学で食事に配慮して、納得の肉体を完成させていた。
プロ5年目で、初めてブルペン入りを行わないままキャンプインする。先乗り自主トレに参加した他の投手が、ブルペンで捕手を座らせて投げるのを横目に、体づくりに専念してきた。昨年は3月のWBC出場へ向けて1月から急ピッチで調整したのがたたり、疲労が抜けず不本意なシーズンに終わった。その悪い投球感覚を、これで払しょくした。
14日から沖縄・名護で堂林、中村恭と行ってきた自主トレ。「サッカーをしたり、ゴルフもした。体を動かしながらいい気分転換になった。今年は下半身があまり痛くない。1年間通して同じポジションを守りたい」。昨年、苦しんだ股関節痛も癒えつつある。セットアッパーの地位奪回へ、心は決まった。
先乗り自主トレの間、今村のキャッチボール相手を務めた松本ブルペン捕手は「回転が良くなっているし、球に力がある。昨年は上体だけで投げる感じだったが、下半身とうまく連動している」と復調を証言。69試合に登板し、防御率1・89とフル回転した12年シーズンの輝きを取り戻す下地はできた。
今村は「焦らず自分のペースでやる。キャンプ中やオープン戦ではなく、開幕にピークを持っていきたい」と静かに意気込んだ。確かな実績を自信に、復権を目指す。