マエケン10年以来捕手座らせ初ブルペン

 「広島春季キャンプ」(6日、日南)

 広島・前田健太投手(25)が6日、今キャンプ初のブルペンでいきなり捕手を座らせて投球した。WBCのため調整ペースを速めた昨年を除くと、沢村賞に輝いた2010年の春季キャンプ以来となる異例の光景だ。捕手を座らせて投げられるのは状態がいい証拠。今季の目標に「沢村賞」を掲げる右腕だが、4年ぶりの勲章を手に入れる準備は着実に整いつつある。

 絶対的エースが投手陣の大トリとして、ブルペンに入った。マウンドをならした前田はキャッチボールで肩をあたため、投球を開始。テンポよく捕手を立たせて15球を投げ終えると、ブルペン捕手に座るように指示した。

 感覚を確かめる程度の力加減だが、鋭い球が捕手のミットに吸い込まれた。捕手を座らせて25球目に「ラスト」と言って投げた球が乱れ、急きょ1球“おかわり”。計41球で、今年初のブルペンでの投球を終えた。

 WBCに出場した昨年を除くと、初ブルペンで捕手を座らせるのは10年以来だ。「もういいかなと思って(座らせた)。球がどうこうよりも体がよかったので気持ちよく投げられた」。状態のよさが、異例の捕手を座らせた投球となった。

 10年と言えば前田がタイトルを総なめし、沢村賞を獲得した年だ。ただ、その時のキャンプはブレーク前で、「シーズンの途中に(感覚を)つかみ、その後も一気に行っただけ」と“勢い”でつかんだ沢村賞だった。

 今年は4年前と異なり、沢村賞を意識的に狙っている。「毎年毎年、手応えをつかんでキャンプに入り、ボールの質を上げてこられている。今年は1月からガッツリやれたので、いい状態でキャンプに入れている」。1月の東京での自主トレでは今まで以上に自らを追い込み、仕上がりは過去最高だという。

 投球フォームに関しては、今年もノーワインドアップで臨む。「振りかぶってもいいけど、昨年いい形で投げられたので。今はこのままで」。投球中にフォームの確認をした山内投手コーチは「ボールに(力が)伝わっている感じでよかった。昨年よりいい状態できていると思う」と満足そうに話した。

 すでに首脳陣からは3月28日の開幕戦(対中日・ナゴヤドーム)までの調整プランが伝えられている。「まずは実戦一発目に投げられるように仕上げていく。自分の中では(開幕まで)時間があると思っている」。マエケンが新たな伝説へスタートした。

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