「広島紅白戦、紅組１-１白組」（１７日、天福）

　今キャンプを２軍で迎えた広島・篠田純平投手（２８）の１軍昇格が１７日、決まった。２１日から始まる沖縄キャンプに、２軍からは唯一昇格となって帯同する。この日の紅白戦では２回を１安打無失点と好投。開幕１軍を目標に掲げる左腕が、復活へ向けてひとつ、ステップを上げた。

　表情が緩んだのは一瞬だった。２軍スタートの中で唯一、沖縄行きの切符をゲットした篠田は「スタートラインに立てただけ」とすぐに口元を引き締めた。

　この日は３番手で登板した。四回、先頭の丸に中前打を許したが、続くエルドレッドを遊ゴロ併殺打に仕留めた。五回も三者凡退。前回１２日の登板と同じく、２回１安打無失点で任務を終えた。「スピードが本来に近くなってきている」と野村監督。２試合連続での好投が評価され、沖縄帯同を勝ち取った。

　新フォームに手応えをつかんでいる。自主トレで、昨季よりもテークバックを小さくした。「しっかりと球に力を伝えるためだった」。相乗効果もあった。もともと、腕が遅れて出てくるタイプ。テークバックを小さくしたことで右肩の開きが抑えられ、さらに球の出どころが見づらくなった。「形になってきた。これを続けたい」。その表情は明るい。

　１２年オフに左膝を手術。昨季はわずか１試合の登板に終わった。シーズン後には慣れ親しんだ背番号「１４」をドラフト１位・大瀬良に譲った。

　沖縄キャンプではオープン戦と練習試合、７試合が予定されている。「しっかりと結果を出したい」。復活を期す１４年。背番号「２１」が開幕１軍入りを目指し、がむしゃらに左腕を振る。