ドラ3田中、梵不在の沖縄でアピールへ
「広島春季キャンプ」(21日開始、沖縄)
広島のドラフト3位・田中広輔内野手(24)=JR東日本=が20日、22日に阪神とのオープン戦からスタートする対外試合に向け、「失策ゼロ」をノルマに掲げた。正遊撃手候補筆頭の梵英心内野手(33)が不在の沖縄キャンプは21日から開始。19日までの日南キャンプで首脳陣の評価を急上昇させた即戦力が、まずは確かな守りをアピールする。
やるべきことは分かっている。チーム初の対外試合、22日・阪神戦に出場予定の田中。1軍生き残りをかけた実戦が続くことを前に「ノーエラーでいきたいです」と、己に目標を課した。
雨や寒気が続いた日南キャンプを終え、19日夜にチームとともに沖縄入り。日南で4試合行った紅白戦では二、三塁も守ったが、「守備位置はチーム事情もあると理解しています。でも、ショートにこだわりはあります」と、言葉に力を込めた。
JR東日本への入社1年目だった12年に、遊撃手として社会人ベストナインを獲得。走攻守に評価が高い即戦力は、日南では日がたつごとに首脳陣からの評価を高めてきた。
紅白戦は無失策。田中は「守備の面ではやれる手応えがある。今まで通りのプレーができればいい」と自信を口にした。石井守備走塁コーチも「一言で表すとアグレッシブ。安定しているし前にも出られる。無難に済まそうという意識は見えない」と評価した。
打撃面を課題にしており、新井打撃コーチに指摘を受けインステップからスクエアステップに改造中。紅白戦では9打数2安打の成績。それでも無死一塁から犠打、無死二塁から二ゴロ進塁打を、自ら判断して決めた場面が光った。
野村監督は「守りも打撃も実戦向きの対応力がある。他の選手へのいい刺激になっている」と高評価。田中も「バットの感覚はまだしっくりしていない。それでも評価されるのはうれしい」と喜んだ。
正遊撃手候補筆頭の梵は、両膝に古傷を抱え、慎重を期すために2軍の日南に残留。アピール次第では開幕1軍はもちろん、次期正遊撃手の声も出てくる。「自分は特別なことはできない。いつも通りやるだけ。打った、打たないより、しっかりと守りたい」。派手ではない言葉が、より期待感を抱かせた。