野村監督、10失点の崩壊投手陣に猛ゲキ

 「練習試合、広島1‐10ロッテ」(23日、コザしんきん)

 広島・野村謙二郎監督(47)が23日、崩壊した投手陣にゲキを飛ばした。コザしんきんスタジアムで行われたロッテとの練習試合で、4投手が10失点と炎上。開幕ローテ候補の福井優也投手(26)、左の中継ぎとして期待している岩見優輝投手(27)らのふがいない姿に、「競争していってもらいたい」と強い口調で奮起を促した。

 真新しい電光掲示板に、悲惨な結果が映し出された。2、0、3、3…と先攻のロッテ側に並ぶ得点。福井、西原、岩見、小野の4人の若鯉が浴びた安打は16本で、失点は10。野村監督は「ピリッとしなかったね」とため息を漏らした。

 まず指揮官の期待を裏切ったのが、開幕ローテ候補の1人でもある福井だ。一回、簡単に2死を奪った直後、井口にバックスクリーンへ被弾。続く今江には左翼席後方のバックネット中段に突き刺さる一発を浴びた。

 連続被弾で自分を見失った右腕は三回もめった打ちを食らった。2死二塁から今江に適時打、ブラゼルに右翼席へ2ラン…。結局3回を投げ、3本塁打を含む7安打で5失点。散々な結果に、登板後に予定されていた会見は中止になった。

 さすがに野村監督も怒りを隠すことができなかった。「(一回は)2アウトを取った後だからね。結果を出してもらわないといけない時期に来ているのだから、結果を出してもらわないと」。今季、リリーフから先発に再転向した福井への期待は大きいだけに、落胆も大きかった。

 新人の西原も2回3失点で降板。横手に腕を下げて再起を図る岩見、先発もリリーフもできるユーティリティーとして起用する方針の小野も崩れた。試合後、ブルペンで居残り練習を命じられた岩見は、「クイックのタイムを気にしすぎて打者に100%の力で投げられなかった」と肩を落とした。

 今回の登板だけで合否の判断を下すつもりはない。野村監督は「今日がダメだからダメなわけではない。競争していってもらいたい。その中でジャッジメントしていきたい」と、内なる戦いが激化することを要望した。

 投手力は野村鯉にとっては生命線。対外試合2試合目で不安を露呈したが、指揮官は「次に出てくる投手がギラギラしてくれたら」と当落線上の選手に期待を寄せた。結果が出なければ2軍に落ちるだけ。激しいサバイバルはこれからが本番だ。

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