「オープン戦、ロッテ１‐３広島」（１５日、ＱＶＣ）

　「勝利の方程式」に新たな男が加わった。九回。角中を見逃し三振に仕留め、オープン戦２セーブ目を挙げた中田は、ドヤ顔で胸を張った。１回を１安打２三振無失点。これでオープン戦、練習試合を合わせて５試合に登板し、計７回無失点の安定感である。

　２死から井上に左翼線二塁打を許したが、それまで打者２０人を無安打無四球に抑えていた。対外試合初安打を許しても「むしろ落ち着きました。クイックや、キャンプで練習してきたことを使えて良かった」と前向きに、得点は許さなかった。

　これを受けて、山内投手コーチは「勝ち試合のいい場面で投げてもらう」と明言。畝投手コーチも「球が低めに集まる。ブルペンから低めを投げるよう心がけている」と成長を認めた。守護神ミコライオにつなぐリリーフ陣の一角を、永川勝らとともに中田が担う。

　プロ６年目で初の開幕１軍を、大役とともに確実にした。それでも「先のことは何も考えない。オープン戦をゼロで終えたい」と慢心はない。昨年より約１０キロ減量し、シャープになった顔には、無精ひげが伸びている。「点を取られないうちは、そりません」という験担ぎは、必要がないほどの好調ぶり。若武者のシーズンでの活躍が、楽しみになってきた。