マエケン強打の鷹打線で腕試しじゃ
広島の前田健太投手(25)が20日、強打の鷹打線を“実験台”に開幕戦に臨むことを明かした。21日のソフトバンク戦(ヤフオク)は開幕前最後の登板。この日ヤフオクドームで調整した前田は、オープン戦12球団トップのチーム打率を誇るソフトバンク打線に、結果よりも新球スプリットなど変化球を試すことを強調。28日の中日との開幕戦(ナゴヤドーム)へ、絶対エースが総仕上げに取りかかる。
静まりかえるヤフオクドームで、黙々と汗を流した。本番前のラスト登板となる21日のソフトバンク戦。気合の入る一番だが、前田に高ぶった様子はない。「最後なのでしっかり、いい形で開幕に入れるようにしたい」と淡々と話した。
昨年までならば開幕を見据え、オープン戦最後の登板では結果にこだわってきた。しかし今年は違う。何度も口から出てきたのは「いろいろ試す」という言葉だった。
“試す”内容はいくつかあるが、中でも試したいのは変化球のようだ。前回15日のロッテ戦(QVC)では封印した新球スプリットについては「状況を見ながら石原さんと相談して」と、もう一度試投することを示唆。「スライダーやチェンジアップも、もう少し思い通りのところにいってなかったので、そのへんも」と確認するポイントを挙げた。
相手は11連勝中!!
相手がソフトバンクというのも前田にとってはうってつけだ。現在11連勝中と好調で、12球団トップのチーム打率・296とチーム本塁打13本。脅威に感じてもおかしくないが「抑えるのが難しい打者がたくさんいるので、いろいろ試せるいい機会」とちょうどいい“実験台”と捉えている。
ヤフオクドームといえば、昨年6月1日の悪夢を思い出す。連打や本塁打を浴び、一回途中で1アウトしか奪えず、6失点で降板。翌日には右脇腹痛で登録を抹消されたが、「あの時は体の状態はよくなかった。打たれても当たり前だし、苦い思い出じゃない」と言い切った。
いずれにしても総仕上げとなる最後のオープン戦。「(ソフトバンクは)いい打線なので自分が最後にしんどい思いをして、開幕に入るのはいいじゃないですか」。終始リラックスした表情を見せたマエケンには、何事にも動じないオーラが漂っていた。