「オープン戦、広島５‐１１ソフトバンク」（２３日、マツダ）

　開幕１軍へ、強烈なラストアピールだ。五回、ウルフのカーブを完璧に捉えた。広島・岩本が放った打球は、真っ赤に染まった右翼席に着弾。文句なしの豪快な１号ソロだった。

　５試合安打がない状態で臨んだオープン戦最終戦。「２軍に落とされる」と危機感いっぱいだったが、三回の第１打席に右翼線に二塁打を放った。これで気持ちが楽になり、第２打席に本塁打。「打てないときは自分の形ができていなかったし、気持ち的にしんどかった」と振り返った。

　首脳陣のアドバイスに救いを求めた。打撃練習後には毎日のように野村監督や新井打撃コーチらの話を聞き、修正点を確認。「上体で球を追いかけていた。だから下半身を使って打つイメージを心掛けようと思った」。何とか開幕直前で、自分の打撃の形を取り戻すことに成功した。

　開幕スタメンを目指して練習を重ねてきた。しかし外野の定位置を争うライバルの松山に大きく水をあけられた。それだけに「今日打ったからといって満足してはいけない」と語気を強めた。

　開幕１軍スタートは濃厚で、昨季同様に代打の切り札として起用される可能性が高い。「できることをやるしかない」。スタメンの座を奪うためにも、目の前の打席で結果を出し続けるしかない。