鯉に非常事態…炎上バリ開幕ローテ白紙

 「オープン戦、広島5‐11ソフトバンク」(23日、マツダ)

 広島の野村謙二郎監督(47)が23日、五回途中8失点でKOされたブライアン・バリントン投手(33)を、開幕ローテーションから外す可能性に言及した。極度の不調が続く右腕について「考えなくてはならない」と話した。開幕3戦目の30日・中日戦(ナゴヤドーム)の先発が予定されていたが、撤回の検討に入った。

 野村カープが大きな不安要素を抱えたまま、オープン戦を終えた。盤石に思えた先発3本柱の一角が、崩壊危機に陥った。バリントンが五回途中7安打8失点(自責点5)と大炎上。五回途中10安打9失点だった16日・ロッテ戦(QVC)に続く、惨状だった。

 野村監督はバリントンをキャンプ前から前田、野村とともに開幕ローテ構想に入れていた。しかし試合後「彼の去年後半の投球には程遠い。はっきり言って考えなくてはならない」と言及。30日・中日戦に内定していた先発はく奪を示唆した。

 来日4年目右腕は昨季11勝を挙げ、チーム初のCS進出に貢献。今年は実績を考慮し調整を一任されてきたが、今年実戦初登板した3日の紅白戦(コザしんきん)の2回6安打2失点から、一向に調子が上向かない。

 この日は直球、変化球ともにキレを欠き、相手の強力打線につかまった。一回に先制を許すと、二回は3本の二塁打を浴びるなどで4失点。四回は犠打を処理した自らの一塁悪送球も重なり3失点。「スライダーも直球も良くない。この2試合の結果を真剣に受け止めないと。だが調整できる自信はある。切り替えたい」と、懸命に前を向くしかなかった。

 バリントンの代役候補は、指揮官が「篠田、福井ら頑張っている選手はいる」と話す2人だ。福井は21日のウエスタン・ソフトバンク戦(雁の巣)で6回4安打1失点、篠田は翌22日の同戦で6回1安打1失点と好投。山内投手コーチは「金(21日)、土(22日)に投げさせているから」と、30日の代理先発を見越した起用であることを明かした。

 ただ、バリントンが過去3年間で31勝したのは、揺るぎない事実。指揮官は「投手コーチと話し合います」と述べた。熟考の末に最終決断を下す。

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