バリ復肩じゃ!負けても光った3失点
「中日6‐0広島」(30日、ナゴド)
9年ぶり開幕3連勝を狙った広島は、打線が沈黙して完敗を喫した。それでも先発のブライアン・バリントン投手(33)が、七回途中まで投げて3失点と及第点の投球。オープン戦でKOが続いた右腕の復調に、野村謙二郎監督(47)は「メドが立った」と一安心した。気持ちを新たに、4月1日・ヤクルト戦(マツダ)からの本拠地開幕3連戦に集中する。
野村カープの心配の種が一つ解消された。これが本来のバリントンだ。七回途中まで投げて8安打3失点。ピッチングには、来日4年目、通算31勝右腕の持ち味が詰まっていた。スライダーを軸に多彩な変化球と、最速144キロだった直球を、丁寧にテンポ良く低めに投げ続けた。
三回、不運な荒木の内野安打で先制は許したが、直後にルナを直球で三ゴロ併殺打に打ち取った。四回は森野、六回は再びルナを併殺打に仕留めた。七回に球威が落ち、松井雅の右中間二塁打で2点を追加されたが、先発として試合はつくった。
右腕は淡々と振り返った。「低めに制球できたし、打たせて取ることができた。併殺も3つ取れた。しっかりボールに指がかかったし、キレのいいボールを数多く投げられた」。敗戦投手になり声のトーンは控えめだが、納得の様子だった。
オープン戦は2試合に登板したが、16日のロッテ戦(QVC)は五回途中まで投げて9失点、23日のソフトバンク戦(マツダ)は五回途中まで投げて8失点と、連続KOされた。一時は開幕ローテ剥奪が検討されたほどの不調から巻き返した。
最終的には実績を考慮して先発を託した野村監督は「心配していたけれどゲームをつくったし、非常に評価できる。メドは立った」と、今後も先発ローテを任せる方針。前田、野村と形成する先発3本柱。その一角が崩れる危機からは脱した。
復調の要因をバリントンは「気持ちの持ち方だ。オープン戦とシーズンでは重要度が違う。気持ちの入り方が違う」と語った。山内投手コーチは「腕を振って投げて、低めに集められるようになった」と説明した。
敵地で勝ち越し、大きな不安要素を払しょくした野村カープ。次のヤクルト3連戦は野村、大瀬良、前田が先発予定。地元に帰り、再び加速する。