堂林「よしっ!」九回トドメ代打2ラン
「巨人1‐4広島」(8日、東京ド)
右拳を力強く握り、言った。「よしっ!」。G党をだまらせ、鯉党に歓喜をもたらすアーチ。手応え十分の右越え2号2ランに、広島・堂林の感情が爆発した。
「しっかりと捉えられた。打った瞬間に入ると思った」
2‐1の九回2死三塁だ。代打で打席に立ちマシソンと対峙(たいじ)。5球目。151キロの外角高めの直球をフルスイングした。
「(今季は)試合、打席が減っている。結果を出さないといけない」。強い気持ちが乗り移り右翼席へ飛び込んだ白球。代打では、プロ4打席目にして放った初安打が、勝利を手繰り寄せる一発になった。
「土曜日は失策で負けたから…」。5日のDeNA戦(マツダ)だ。3‐0の四回。自らの悪送球もきっかけとりなり、この回、一挙6失点。勝利への流れを失った。「取り返したい気持ちだった」。勝利に誰よりもどん欲だった。
2日のヤクルト戦前、ノックの打球が右耳を直撃した。試合ではサヨナラ2ランを放ち「ある意味、当たり日」と笑った。だが、病院で6針を縫う大けがだった。「大丈夫」。現在はテープを巻き出場する。
最高の形で首位攻防第1戦を締めくくった。「また頑張りたい」。力強く締めくくったプリンスの言葉。頼もしい。