マエケン今季初黒星も右肘言い訳なし
「DeNA12-2広島」(20日、横浜)
右肘に張りを抱える広島・前田健太投手(26)が、中7日で先発したが、5回7安打4失点(自責点3)で今季初黒星を喫した。試合中、右肘を気にするそぶりはあったが「次はもっとしっかり投げられる」と次回登板に意欲をみせた。今後については右肘の状態を確認しながら慎重に判断する。
チームの連勝が4で止まった。前田が足早にバスへ向かう。「試合では(右肘は)関係ない。試合で投げられるわけだし、結果が全て」。張りを抱える右肘を言い訳にせず、敗戦の責任を背負い込んだ。
「慎重に入った」という序盤に失点した。0‐0の二回。先頭の筒香に、この試合最速となる149キロの直球を右中間席に運ばれた。さらに味方の失策もあって、この回2失点。「最初は怖さがあった」と野村監督。その“怖さ”が、投球に表れていた。
三、四回はセットポジションからの投球で三者凡退。しかし五回は、中村に左中間への2点二塁打を浴びた。復帰登板は5回87球を投げ7安打4失点(自責点3)だった。
12日の中日戦(マツダ)、右肘の張りで五回緊急降板した。球団は「右上腕三頭筋付着部炎」と発表。15日まではノースローで回復に努め、16日にキャッチボールを再開。18日にブルペン入りし、中7日で先発した。しかし結果、内容とも、完全復活とはいかなかった。
試合中、右肘を伸ばすしぐさをみせたが、前田自身は「痛いとかはなかった。前回の投げ終わりよりもいい」と強調。それでも野村監督は、次回登板について「状態を見て考えます」と、21日以降の様子を見て判断する考え。山内投手コーチは「首脳陣の判断で(出場選手登録抹消は)ありえる」と慎重な姿勢を崩さなかった。
しかしエースは「次はもっとしっかり投げられる。ローテ通りいければ。いくつもりでやります」。次回登板に意欲をのぞかせた。
チームは首位にいるが、エースの完全復活なくしては、その座も危うい。マウンドで躍動するマエケンを、誰もが願っている。