野村監督、エルドにずぶぬれ直接指導
広島の野村謙二郎監督(47)が15日、米子市民球場で不振に陥ったブラッド・エルドレッド内野手(33)を直接指導した。3、4月の月間MVPを受賞した主砲だが、最近3試合は12打数無安打、9三振。一時休養させるプランもあった中、指揮官はあえて16日からの巨人戦でスタメンで起用し、自力ではい上がることを期待した。
ベンチに腰掛けていた指揮官が立ち上がった。「ちょっといじってくるか」。そう言い残し、打撃練習を始めるエルドレッドのもとへ向かった。
雨脚が強くなる中、マンツーマン指導が開始された。「高めのボール球を振ってしまうのが(悪い状態の)バロメーター」と見ている野村監督は、ティー打撃用のスタンドの位置を高めに設定。高めの球に手を出し、打撃が狂っている悪い癖を修正した。
フリー打撃中も正面や後方と見る位置を変え、打撃をチェックした。練習後も打撃ケージ横で、ずぶぬれになりながら約10分間、身ぶり手ぶりで指導を続けた。
開幕から脅威の打撃でチームの快進撃を支えた。しかし11日の中日戦(マツダ)から快音が消え、そこから14日の阪神戦(米子)までの3試合は12打数無安打、9三振。プロ野球記録タイの5打数5三振に倒れた13日の阪神戦(同)後には「休養を取らせるかも」とスタメンから外すことを示唆していた。
だが指揮官は強気な姿勢で臨むことを決断した。「試合で調子を上げてもらうよ」と16日からの巨人戦でのスタメン起用を明言。天敵・巨人を倒すためにも必要な戦力だけに、再び主砲のバットに快音が戻ることを信じるしかない。