野村鯉“崩程式”救援陣打たれ逆転負け
「交流戦、広島5‐6ロッテ」(28日、マツダ)
広島の快進撃を支えたリリーフ陣が、今季初めて崩れた。2点リードの八回、永川勝浩投手(33)が4点を失った。今季4度目の逆転負けとなったが、六回以降でリードを守れなかったのは初めて。野村謙二郎監督(47)は七回、無死満塁の好機を逸したことを敗因に挙げた。
ファンの悲鳴とともに、打球は右翼席に吸い込まれていった。永川勝はマウンドに立ち尽くした。「勝てる試合を落とした。ああいう場面で投げさせてもらったのに、申し訳ない。自分に対して悔しい」と、責任を受け止めた。2点リードの八回、2死から根元に中越えソロを浴びた。なお一、二塁とされ、代打ブラゼルに真ん中に入った変化球を痛打され、逆転3ランを献上した。
チームは今季4度目の逆転負け。4月15日・阪神戦(マツダ)で五回に逆転を許したことがあったが、六回以降では初めて。また八回以降の終盤に限っては、今季23度目で初めてリードを守れなかった。
永川勝は今季、ミコライオ、一岡、中田とともに勝利の方程式に組み込まれていた。5月14日・阪神戦(米子)で打球を左足ふくらはぎに受けて以降、本調子には程遠い。「それは自分の問題。練習して修正するしかない」と、言い訳はしなかった。山内投手コーチは「反省すべきだが、今の使い方は変えない」と、今後の奮起を期待した。
野村監督は「2死からですからね」と永川勝の背信投球を嘆いた。一方で、敗因については「流れからすると満塁で点を取れなかった。我々以上に悪い流れを、投手は考えてしまうのかな」と、七回の攻撃を指摘した。
七回。無死満塁と攻め立てながら、ロサリオが三振、木村が浅い右飛、キラが三振して無得点に終わった。直後の惨劇。指揮官は「勝てる試合で、うちが決定機で点を取れなかった」と、野手の責任を大きく指摘した。
ただ、ここまで首位を走るチームを支えたリリーフ陣の働きは十分評価している指揮官。「尾を引かないように、苦い経験を生かすしかない」と、前向きの姿勢は貫いた。