快進撃!マエケンで30勝セ界一番乗り
「交流戦、広島5-3ロッテ」(29日、マツダ)
広島はエースと主砲がともに復調して、00年以来14年ぶりとなるセ・リーグ30勝一番乗りを果たした。自身2連敗中だった前田健太投手(26)は、8回7安打1失点と力投して、5勝目。主砲ブラッド・エルドレッド内野手(33)は8試合ぶりとなる16号先制3ランを放ち、17号ソロもマーク。本塁打、打点でリーグトップに立った。
ギアを上げた。前田は五回、1死から3連打で1点を失い、なお一、二塁。28日に逆転3ランを放った、ブラゼルを代打に迎えた。「三振も多い打者。狙いにいきました」。直球で追い込み、最後はチェンジアップで空振り三振に抑えた。
続く角中は内角低めの直球で見逃し三振に仕留めた。短く雄たけびを上げ、さっそうとベンチに戻った。勝利を大きく引き寄せた。
4試合連続で失点していた初回を3者凡退で切り抜けた。直後にエルドレッドの先制3ランが飛び出し「だいぶ状態が良くなってきた。先に3点取ってもらって、楽にスムーズに投げられた」と、波に乗った。
最速151キロの直球、カーブを活用。今季最多132球を投じ、8回7安打1失点。レンジャーズなど大リーグ関係者が視察に訪れた前で、3試合ぶりとなる5勝目を挙げた。
チームは00年以来となるリーグ30勝一番乗り。野村監督は「クリーンアップに対して余裕を持って投げていた」と、エースの復調を喜んだ。前田も「力を抜いて投げられるようになってきた」とうなずいた。
入団2年目の08年から先発ローテを担ってきた。「昔は毎回絶好調を求めていた」というが、10年ごろから「それだと調子の悪いときにテンションが下がる。不調でも気にしない。底辺のレベルを上げれば1年の成績が安定する」と考えるようになった。
6回2失点で2敗目を喫した17日・巨人戦(東京ド)、7回3失点で3敗目を喫した23日・オリックス戦(ほっと神戸)は、不調でも試合はつくった。大瀬良、九里らルーキーが台頭する中、経験豊富な右腕にかかる期待は大きい。絶対エースは「まだまだですけど、状態は上がってきた」と、さらなる活躍を誓った。