中崎、上々復帰!右手手術乗り越えた
「交流戦、広島3-10ソフトバンク」(6日、マツダ)
久しぶりに上がった本拠地のマウンド。広島・中崎が思い切り右腕を振った。約10カ月ぶりの1軍登板。大敗の中でキラリと輝きを放った。
2‐9の四回から登板した。先頭の柳田に右中間突破の三塁打を浴び、李大浩の左前適時打で1点を失った。それでも後続を打ち取り、この回を最少失点で切り抜けた。
続く五回は三者凡退。六回も無死一塁から「狙い通りだった」と明石を併殺に仕留めるなど、スコアボードに「0」を刻んだ。「復帰登板は、早かった。点は取られたけど、しっかり投げられた」。直球は最速145キロを計測し、3回3安打1失点。野村監督は「1点は取られたけどその後を抑えた。評価したい」とたたえた。
昨年11月に右手の「血行障害」の手術を受けた。人さし指は、右手の静脈を移植する「血管移植術」。中指は血の塊を取り除く「動脈血栓除去術」。合計約8時間を要した大手術だった。
体にメスを入れるのは初めて。迷いはあった。それでも「中途半端な投球をするより、手術して完ぺきに治した方がいい」と決断した。登板後は右指のマッサージや超音波でのケアを欠かさない。
「指に不安はない。次は点を取られないように頑張る」。背番号「56」が立て直しを図る投手陣の光となる。